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財団法人日本ユニセフ協会
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UNITE FOR CHILDREN UNITE AGAINST AIDS

ザンビア:子どもの命を守るHIV検査と治療

【2011年5月5日 米国/ニューヨーク発】

© UNICEF/NYHQ2009-2345/Nesbitt
ザンビアのマンサ地区にあるマタンダ農村部保健センターで、6週間になる息子を抱きかかえる母親。ここでは、HIVと共に生きる妊産婦たちに、治療を提供し、乳児や子どもへのHIVの新規感染を防いでいる。

マリアム・チョンゴさんは、アフリカ大陸南部の国、ザンビアの農村部に住んでいます。妊娠していると分かり、妊産婦健診のために地元の診療所にいきました。診療所では、診察を受け、諸々の検査を受けました。

検査には心配がつきものですが、HIV検査を受けたマリアムさんはなおさら心配でした。HIV検査の結果は、残念ながら、陽性でした。

この情報は、彼女にとって、そしてお腹の中にいる赤ちゃんにとって重要なものでした。赤ん坊は、妊娠中、出産時、母乳育児中にHIVに感染する可能性があるからです。HIVに感染して生まれてくる赤ん坊の数は、毎日1,000人以上と推定されています。HIV陽性の赤ん坊は、治療をしないままでいると、2歳の誕生日を迎えることができません。

命を守るプログラム
© UNICEF/NYHQ2009-2345/Nesbitt
ザンビアのサムフィア地区にある自宅で、1歳の息子をお風呂に入れるマリアム・チョンゴさん。

検査結果は残念でしたが、マリアムさんが通っている診療所では、幸いにも、HIVの母子感染防止プログラムを実施ししていたため、彼女に「一縷の望み」を提供してくれました。

このプログラムは、HIV感染の可能性がある期間に、母親と赤ん坊に抗レトロウィルス薬を投与し、尚且つ、このプログラムに参加している家族に、心理社会的な支援を提供してくれるものです。治療を受ける子どもたちは、定期的にHIV検査を受け、感染がないことを確認できます。

プログラムは包括的なもので、妊娠初期から赤ん坊が乳離れするまで続きます。そして、とても厳密に管理されます。治療がうまくいくためには、定期的に保健員のもとを訪れ、薬、カウンセリング、検診を受けなければなりません。また、薬もきちんと処方された量を時間通りに飲まなければなりません。

ミリアムさんの願いは、お腹にいる赤ちゃんをHIV感染から守ることでした。そのため、このプログラムに参加し、やがて元気な男の赤ちゃんを産むことができました。名前はピーターにしました。

道のりは決して楽ではありませんでしたが、マリアムさんとピーター君は、ほかの人たちよりも幸運でした。というのも、途上国の妊産婦の約20%(最新の推計値)は妊産婦ケアを受けることができないからです。

HIV感染していると分かっても、マリアムさんのように母子感染を防止するプログラムに参加できない人たちもいるのです。低所得国、中所得国のHIVと共に生きる妊産婦の内、2009年に母子感染防止の治療を受けることができた妊産婦の割合は53%にとどまっています。

ザンビア政府は、HIV検査と治療を、必要な人たちに提供するために尽力しています。しかし、特に農村部では、こうしたサービスを受けるのは難しい状態です。また、国の経済事情からいえば、すでに制度化されたサービスを提供するのでさえ困難な状況になっているのです。

命の贈り物
© UNICEF/NYHQ2010-2248/Nesbitt
自宅の窓から外を見るピーター君。母親は、妊産婦健診の時にHIV陽性だと知った。早期から治療を始めたことで、HIVの母子感染を防ぐことができた。

こういう時だからこそ、私たちひとりひとりが、こうした母親と赤ちゃんたちのためにできることがあります。8,900円で、100人の妊産婦にHIV検査をすることができるのです。検査1回は、100円以下で実施できる計算です。100以下で、母親と子どもの命と健康を守る第一歩が踏み出せます。現在、日本ユニセフ協会で取り扱っているユニセフの「支援ギフト」にも検査キットが加えられています。

ミリアムさんとピーター君は、このような「命の贈り物」の大切さを示す良い例です。1歳になったピーター君のHIV検査結果は陰性でした。母親のHIV母子感染防止対策が功を奏したのです。この成功も、ミリアムさんが、最初に妊産婦健診、そしてHIV検査を受けていなければ可能ではありませんでした。

みなさまも、ユニセフの「支援ギフト」を通じて、「命の贈り物」をしてみてはいかがでしょうか。 ユニセフ「支援ギフト」については、こちらをご覧ください。

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