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財団法人日本ユニセフ協会
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UNITE FOR CHILDREN UNITE AGAINST AIDS

12月1日は「世界エイズデー」
10代の子どもたちの感染防止が急務
報告書『子どもとエイズ:第6次報告書2013年』発表

【2013年11月29日 ニューヨーク発】

ユニセフは12月1日の世界エイズデーにあわせ、『子どもとエイズ:第6次報告書(Children and AIDS: Sixth stocktaking report)2013年』を発表。報告書では、HIVの母子感染予防では大きな進展があり、低中所得国で2005年から2012年の間に、85万人の乳児がHIVに感染することなく誕生したことが明らかになりました。一方で、青少年期(以下、10代と記載)の子どもたちに対する、HIV/エイズに関する世界的または国レベルでの取り組みが急務であると警鐘を鳴らしています。

増加するエイズと共に生きる10代、エイズによって亡くなる子ども

10歳から19歳の青少年期の子どもたちで、エイズに関係する死亡は、7万1千人(2008年)から11万人(2012年)と倍近く増加しています。母子感染の予防には大きな進展がうまれたものの、青少年期の子どもたち210万人がHIVと共に生きています(2012年)。

報告書は、イノベーション(技術革新)への追加予算と新たな投資に伴い、多くの困難に打ち勝つことができたと述べています。2010年の投資総額は38億米ドル(約3,876億円※)でしたが、2014年までに約55億米ドル(約5,610億円※)を投資することで、効果が高い取り組みが可能となり、2020年までに200万人の10代の子ども、とりわけ女の子の新たなHIV感染を予防できるとしています。※1米ドル=102円で換算

複合的な取り組みが急務

アンソニー・レーク ユニセフ事務局長は「いくつもの取り組みをまとめたアプローチで効果の高い取り組みを拡大すれば、2020年までに、10代の子どもたちの新たなHIV感染を半減することは可能です。ただちに、最も感染の可能性が高い子どもたちに対し、効果の高いアプローチで取り組むことが重要です」と述べています。

効果の高い取り組みには、コンドームの使用や抗レトロウイルス薬による治療、母子感染予防、任意での医学的な男性割礼、適切な行動を促す広報活動などが挙げられます。また、感染リスクが高い環境にあり、情報や保健サービスが届きにくい人たちに焦点を絞ってアプローチをすることも含まれます。こうした取り組みは、教育や社会的擁護、福祉、保健システムの強化といった他部門への投資とあわせて行う必要があります。

乳児のHIV感染は大幅に削減

乳児の新たなHIV感染は、年間54万人(2005年)から年間約26万人(2012年)と大きく減少しました。

国連合同エイズ計画のミシェル・シディベ事務局長は「本報告書は、エイズのない世代とはつまり、生まれたときからその生涯を通じてHIVに感染することがない世代であると定義しており、治療を受けているHIVと共に生きるすべての子どもたちも含んでいます。また、エイズへの取り組みの中心には、女性の健康と福祉をおかねばなりません。これらの目標は、間違いなく達成できるのです」と述べました。

服薬も簡素に−オプションB+

抗レトロウイルス薬による治療では、オプションB+という名称で知られる新たに登場した簡素な投薬方法が始まりました。オプションB+では、1日1錠の薬を生涯服用し続けます。HIVと共に生きる女性は、この方法で妊娠中、分娩時、母乳育児中に効果的に治療が受けられるようになりました。

サハラ以南のHIV感染率が高い国々の中には、最も目覚しい成果を収めている国もあります。乳児へのHIV感染(2009年から2012年まで)は、ガーナでは76%、ナミビアでは58%、ジンバブエでは55%、マラウイとボツワナでは52%、ザンビアとエチオピアでは50%減少しました。

エイズで死亡した子どもは21万人

報告書はエイズのない世代は現実のものとなってきていると指摘。HIVと共に生きる子どもたちが、もっと多く抗レトロウイルス薬による治療を受けられるようにするべきだと強調しています。2012年に、低中所得国では、HIVと共に生きるおとなで治療を必要としている人のうち64%が治療を受けられましたが、子どもの場合、治療を受けられたのはわずか34%でした。21万人もの子どもが、2012年にエイズに関係する病気で亡くなったとみられています。

エイズのない世代の実現は可能

イノベーション(技術革新)と新たな取り組みが試されることで、治療はより効果的に、効率的に、より利用しやすくなっています。一例を挙げると、ザンビアとマラウイでは、携帯電話に子どものHIV検査結果が届くようになりました。手渡しで結果が通知されるよりも、母親たちは必要な診断をより早く受けられるようになったのです。

課題は、限りあるリソースをできるだけ効率的に効果的に活用しながら、すでに存在している知識を、最も厳しい状況にあり最も社会サービスを受けられない子どもたちや10代の子どもたちに届け、新たな機会とイノベーション(技術革新)を追及することです。

「世界は、エイズのない世代を実現させようとし、達成する術をすでに持っています。HIVに打ち勝つといった成功の恩恵は、まず子どもたちが受けるべきです。実現できない場合には、子どもたちが真っ先に守られなければいけないのです」とレーク ユニセフ事務局長は述べています。

参考情報

<オプションB+について>
ユニセフは、新たに簡素化された終身の抗レトロウイルス薬の治療法(通称:オプションB+ )をHIVと共に生きる女性のために、導入する国の支援を行っています。以前は、1日最大6錠の薬を服用する治療が行われていましたが、オプションB+ では1日1錠の服用ですみます。オプションB+ であれば、コミュニティや地元の保健施設などで処方できます。出産後や母乳育児中であっても続けられるので、HIVと共に生きる女性はより健康でいられます。
オプションB+は、2011年にマラウイで初めて導入され、HIVと共に生きる妊婦と母乳育児中の女性の治療として急速に広がりました。2013年6月までに、グローバルプラン※に参加している22カ国のうち13カ国で採用されています。
※グローバルプランは、2015年までに子どもの新たなHIV感染を根絶するために、2011年の国連ハイレベル会合で発足しました

参考:

「子どもとエイズ」 キャンペーンサイト

『子どもとエイズ:第6次報告書(Children and AIDS: Sixth stocktaking report) 2013年』 (英語)

「エイズのない世界へ」特設ページ (英語))

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