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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

教育普及 教科書不足解消から
<バングラデシュ>


 ここはバングラデシュの首都ダッカの軽工業地帯の一角にある、文部省教科書局の中央倉庫。倉庫の中庭ではトラックから木枠でこん包された印刷用紙が次々と下ろされます。外した木枠は山積みにしていますが、もう崩れ落ちてくるのではないかと心配するほど高く積まれています。

倉庫の中は対照的にひんやりとして静かです。建物右半分が教科書用紙のスペースで、50メートル四方くらいあるでしょうか。用紙は形が崩れることなくみっしり積まれ保管されています。左半分は印刷所から納入された後なのでかなりがらんとしていましたが、関係者によれば毎年9月は8千万冊の教科書が搬入されるとのこと。

今、バングラデシュは義務教育の普及に力を入れています。小学校の就学率は90%以上ですが、5年間の小学校期間を修了するのは半分足らずで、合わせて1千万人の子どもが義務教育から取り残されています。初等教育の普及のかなめの一つは教科書不足の解消。子どもたちは教科書が不足しているため、数人の児童が一冊の教科書を使用したり、時には教科書がない中での授業が行われます。

このため、ユニセフが教科書支援を行うことにしたのですが、それにはまず教科書を印刷する紙が必要となります。1980年代初めはユニセフが教科書用紙を教科書局に寄贈していましたが、倉庫が老朽化していてせっかくの用紙が湿ったり、汚れたりしてロスが出ていました。また手狭になっていたので、ユニセフの資金で83〜84年に増改築することになりました。床を補強し、中二階を造り、換気も良くしました。ユニセフが支援した教科書倉庫は今もバングラデシュの教育改善に大切な役割を果たしています。

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