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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

ある少年の成功物語
<バングラデシュ>


アジズールくん(13歳)

 アジズールは大きな責任を負っている男の子です。まだ13歳だというのに、2人のお兄さんや2人のお姉さんとともに、家計を支えています。お父さんは病気で仕事ができず、お母さんは小さい子どもたち3人の面倒を見るのに手いっぱいなのです。

 アジズールは、毎朝6時から9時まで、ダッカの小さな市場で魚を売っています。1日に得られる収入は1米ドル未満。30〜40バングラデシュ・タカにすぎません。でも、アジズールは今、電気技師になろうとがんばっています。電気技師になることができれば、収入面ばかりでなく、評価の面でも、技術的な面でも大きな飛躍になります。

 アジズールはここ数年、すごくがんばりました。BEHTRUC(「困難な状況にある都市部の子どもたちへの基礎教育プロジェクト」。バングラデシュのミルプールにあり、プロシカというNGOによって運営されている)を卒業した彼は、2004年4月から11月まで、バングラデシュの首都ダッカにあるダッカ・アサニア・ミッション職業訓練機関に入りました。ユニセフの支援のもと、この職業訓練機関は、アジズールのような働く子どもたちに種々の訓練プログラムを実施しています。

アジズールくんの夢は電気技師になること

 「室内電気工の訓練を受けることができてすごく幸せです。これを終えれば、電気店で働くことができます。仕事の探し方も分かったし、応募方法も履歴書の書き方も教わった。あと数カ月で訓練が終わりますが、トレーナーからの多少の力添えがあれば、仕事も見つけられそうです。そうすれば800から1000タカ(16米ドル近く)のお給料をもらうことができるようになります。お父さんもお母さんも喜んでいます」。アジズールはうれしそうに言います。将来的には電気店で働きたいと語る彼は、すでにいくつかの店にコンタクトをとっているそうです。

 「研修以外にも、友だちとたくさんふれ合えるのもうれしい」のだとか。アジズールがこれだけがんばれるのは、家族を助けたいという思いからです。市場での朝の仕事を終えると、午後は職業訓練を受けに行きます。そして夜は、学校に行っていない3人の小さな弟たちのそばについて、ベンガル語を教えているのです。アジズールは、そのがんばりをこんな簡単な言葉で言い表してくれました。「家族の中で自分の責任を果たしてるだけさ」

2005年4月5日
ユニセフ・バングラデシュ事務所

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