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世界の子どもたち

カメルーン:拡大するコレラの感染

【2010年9月8日 ニューヨーク発】

© UNICEF Cameroon/2010/Sprigge
カメルーン極北州で、コレラの症状で苦しむ二人の孫と女性。

カメルーンでは、最近、ここ数十年間で最も深刻ともいえるコレラの流行に見舞われています。今回のコレラの流行は、2010年5月から始まり、現在、カメルーンの極北州で最も感染が拡大しています。カメルーン政府によると、今日(8日)までに報告されたコレラの症例は約5,560件。コレラにより命を落とした人の数は、385人に及ぶものと見られています。

コレラは、汚染された水や食べ物を摂取することによって発症し、多くの場合、衛生施設(トイレ)の欠如や、不適切な衛生慣習によって広がっていきます。ユニセフ・カメルーン事務所によると、極北州では、適切な衛生施設(トイレ)へのアクセスがある人の割合は、わずか5パーセント。安全な飲料水へのアクセスがある人の割合は、30パーセント未満に過ぎません。

こうした要因に加えて、洪水被害や人口密度が高いという問題も相まって、最近、カメルーンでコレラが流行しているのです。

ほとんどが治療可能
© UNICEF Cameroon/2010/Sprigge
極北州にあるシラク学校。最近、この近くでコレラが流行し始めた。

こうしたコレラの流行を受けて、ユニセフは、他人道支援団体やカメルーン政府と共に、医薬品、浄水剤、その他にも消毒用製品を配布しました。また、自宅で貯水したり、水を安全に利用したりできるように、貯水キットも支援しています。

「コレラは、ほとんどが治療可能です。」ユニセフ・カメルーン事務所のムス・クレメンス・ホープ代表はこう話します。「コレラに感染したら、抗生物質の投与を受け、水分を補給すれば、回復していきます。」

クレメンス・ホープ代表によると、カメルーンのコレラによる死亡率は7パーセント以上。人々が適切な治療を受けることができれば、この数字はもっと低いはずです。代表はまた、コレラによる死亡の多くが、適切な治療をすぐに受けることができない農村地域で発生していると、指摘しました。

新たなキャンペーン

ユニセフは、人々にコレラの症状を認識する方法と、すぐに治療を受けに行く場所を伝えるべく奮闘しています。

今週、新学期が始まるので、子どもたちの間でコレラがさらに流行するのではないかと懸念されています。北部の最も弱い立場の子どもたちとコミュニティのために、ユニセフは、「コレラのない私たちの学校」を合言葉にした新しい広報キャンペーンを開始しました

カメルーン政府と協力して、ユニセフは、各学校で、コレラの感染を防ぐために必要である大切な習慣を子どもたちに教えています。その大切な習慣とは、石けんでの手洗い、安全な飲料水やトイレの利用、食べ物や食材を必要に応じて洗い、適切に調理することです。

ユニセフは、テレビ、ラジオ、ポスター、学校用のノートを利用して、カメルーン北部の3,600校の学校に通う150万人以上の学年齢期の子どもたちに、このメッセージを伝えています。また、地域の携帯電話会社と協力して、携帯電話の利用者に啓発メッセージが送られる予定です。

官民のパートナーシップ

クレメンス・ホープ代表は、官民の協力を嬉しく思っていると話しました。この協力は、「民間組織が、開発に関わり、支援し、緊急事態を支えることができるという潜在的な力を持っていることを示すものです。」と、クレメンス・ホープ代表。

「これは、カメルーンでは、まだ利用されたことのない、開発のための資源だと思います。」官民の協力についてこのように付け加えました。

広報キャンペーンに加えて、ユニセフ・カメルーン事務所は、極北州のマロウアに緊急事態下の水と衛生担当官(WASH)を配置し、地方当局によるコレラ予防対策の整備を支援する予定です。

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