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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたちは今

中央アフリカ共和国:
武力衝突、無法状態の混乱、地域へ拡大の恐れ
7人にひとりが国内外で避難

【2013年11月】

© UNICEF
国内外へ避難している人の数

中央アフリカ共和国で2012年12月に勃発した武力衝突。無法状態が続き戦闘は拡大、最新の統計では、60万人以上、つまり国民の約7人にひとりが、国内外で避難生活を送っていることが明らかになりました。

事態は一国にとどまらず、周辺国へ飛び火し、地域一帯の危機となる可能性が高まっています。支援活動にあたっているユニセフとUNHCR、WFPは国外へ逃れ難民となった中央アフリカの人々に緊急支援を行っていますが、一層の取り組みが必要です。

北西部での武力衝突の再発で国内避難民となった人は約3万人。主にボサンゴアの3カ所に身を寄せています。避難している人の大半は、女性と子どもたち。極めて厳しい環境で生活をしており、保護や清潔な水、トイレ、保健サービス、食料、シェルターといった緊急の支援を必要としています。ユニセフは、WFP、UNHCR、NGOなどとともに緊急支援を行っています。

事態が拡大すれば、状況はさらに複雑化し、国内避難民や難民がさらなる避難を強いられることになります。

続く混乱−ユニセフの物資拠点が焼打ちに

10月19日には、ドゥァラ(DOUALA)にあるユニセフの地域物資拠点が焼打ちにあい、国連機関は、他の物資倉庫に対する同様の被害を防ぐための対応をとりました。
一方で、UNHCRは、チャドで地元の協力を得て、難民が農業をできるようにし、コンゴでは農業や漁業を行えるようにするなど、支援への依存を減らし、自立できるような活動もしています。

広がる武装勢力への取り込みと性的暴力

© UNICEF Central African Republic/2013/Duvillier
暴力的な出来事を目撃した13歳のフェリシアが描いた絵

治安の悪さと移動のむずかしさから、子どもたちが武装勢力に取り込まれたり、戦闘に巻き込まれるリスクが高くなっています。また、こうした子どもたちを保護できた場合ても、家族を探し出し、家族のもとへ返すのは難しい状況です。また、性的暴力も絶えず報告されています。
チャドに到着する難民の4分の3は、女性と子どもです。コンゴ民主共和国では、難民キャンプに到着した時点で、子どもたちの状況をくわしく調査。同国赤道州では、286名の子どもが家族とはぐれていることを確認、登録をし、保護しています。

ユニセフは、家族とはぐれた子どもの保護を行う一方で、「子どもにやさしい空間」などを設置し子どもの心のケアを行っています。

参考記事:
絵に表れる過酷な経験、子どもたちに心のケアを(2013年10月23日発)
−武装勢力に家を急襲され、家族ばらばらで避難した少女。避難先で幼い妹は帰らぬ人に−

学校に通えるのは10人のうちわずか3人

ユニセフが8月に行った調査※では、2012年の武力衝突以降、子ども10人中7人が未だに学校に戻れていないことが、明らかになりました。調査を実施した学校の65パーセントが、略奪や占拠、あるいは銃弾や砲撃による被害を受けていました。
子どもたちが学校に戻れない背景には、暴力への恐怖があります。約半数の学校は閉鎖されたままで、子どもたちは、平均で半年もの間、教育を受ける機会を失っています。
※文章中のデータは、中央アフリカ共和国の全17州のうち11州で認可されている1,933か所小学校のうち176校で行われたサンプリング調査を基にしています。本調査は2013年8月にユニセフが、教育省や学校校長会、その他7つのパートナー団体の参加協力を得て実施したものです(2013年10月18日配信のプレスリリースより)。

中央アフリカ共和国統計情報(ユニセフ「世界子供白書」2013より ※統計値は2011年のもの)

  • 人口:448万7千人、1人あたりの国民総所得=GNI (米ドル):470米ドル、
  • 5歳未満児死亡率(出生1000人あたり5歳までに亡くなる子どもの割合):164人/世界で6番目の高さ
  • 成人の識字率:56%、初等教育淳就学率:男子81%、女子61%

2013年9月に発表された報告書(英文)は、こちらよりダウンロードできます。
A step back: The impact of the recent crisis on education in Central African Republic
「後退した一歩:中央アフリカ共和国で勃発した危機が、教育にもたらす影響」(英語版)[1.71MB] »

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