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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたちは今

中央アフリカ共和国:
国連安保理が決議を採択
ユニセフ、子どもを狙った残虐行為を強く非難、行動を

【2013年12月6日 バンギ・ダカール・パリ・ジュネーブ発】

© UNICEF/NYHQ2013-0242/JORDI MATAS
首都バンギで、武装勢力から開放された子どもたちの前に立つ兵士。

中央アフリカ共和国での紛争が始まって1年。230万人の子どもたちが紛争に巻き込まれ、激化する残虐行為の渦中で、暴力にあい、武装勢力への加担を強いられるケースが増え続けています。

12月5日、国連安保理は中央アフリカに関する決議を採択。現在開催中のパリ・アフリカサミットでも、世界から忘れ去られた中央アフリカの人道危機を協議。世界はようやくこの人道危機に関心を寄せ、行動を起こし始めました。暴力にさらされている子どもたちを守り、武装勢力から奪回し、子どもたちが人道支援を受けられるように、直ちに行動を起こす必要があります。

狙われる子どもと女性

国民間の緊張の高まりに伴い、首都のバンギやほかの都市でも武力衝突が発生する機会が増えています。大規模な大虐殺につながる可能性も高まりかねません。2週間前には、ムボキ(Mboki)で、3週間前にはブアリ(Bouali)で、子どもと女性を狙った攻撃が確認されています。

ユニセフ事務局長のアンソニー・レークは「これ以上、行動を遅らすことは許されません。中央アフリカの子どもたちや家族を見捨ててはいけないのです。子どもたちを狙った残虐行為をやめさせ、学校や保健施設、トランジットセンターを守り、子どもたちに残虐行為を働いたものを処罰するよりも、まずは被害者のケアを行うことに取り組まねばなりません」と述べています。

武装勢力、レイプ、子どもたちを取りまく危険

現在、同国の子どもの10人に7人は、学校に通えていません。2012年12月以降の紛争勃発により、8割の小学校が閉鎖されたままです。学校に通えていない子どもたちは、武装勢力への加担を強いられる傾向にあります。

国内で、武装勢力に何らかの形で加担させられている子どもたちは少なくとも3500人、多くて6000人にもなるともみられています。国連には、女子への性的暴力やレイプ、集団レイプも報告されています。

住む家を追われ、国内外に避難している人たちは48万人以上。(※)周辺地域の安定性を脅かしており、ユニセフとパートナー団体は、これまでに国内と周辺のコンゴ民主共和国、カメルーンに避難している人たちへの人道支援を行ってきました。支援活動は、治安情勢が悪化しても継続されます。

※人数を60万人以上から48万人以上に訂正しました(2013年12月9日)

■ 追加情報(12月9日更新)

  • 中央アフリカ共和国での戦闘の拡大に伴い、首都バンギ周辺と西部ボッサンゴアだけで、100人以上が殺害、多数が負傷したと報道されています。 人道的被害状況の全容を確認できませんが、安全を求めて住む家をあとにし、避難している人の数は増えているとみられます。
  • 紛争による混乱で、国内で避難している人は41万5千人、緊急の食糧支援を必要としている人は130万人に上ります。2012年12月の紛争 勃発以来、周辺国へ避難した人は6万8千人以上に上ります。

【関連記事】

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【参考情報】
中央アフリカ共和国統計情報(ユニセフ「世界子供白書」2013より ※統計値は2011年のもの)

  • 人口:448万7千人、1人あたりの国民総所得=GNI (米ドル):470米ドル、
  • 5歳未満児死亡率(出生1000人あたり5歳までに亡くなる子どもの割合):164人/世界で6番目の高さ

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