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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたちは今

中央アフリカ共和国:
バンギで15万張の蚊帳を供給
日本政府などによる支援で実現

【2014年3月14日 バンギ(中央アフリカ)・ダカール(セネガル)発】

4月から始まる雨季を前に、ユニセフは首都バンギで避難生活を送る7万5,000人に15万張の蚊帳を提供します。避難生活を送る子どもの40%がマラリアに罹患していました。マラリアは死に至るおそれのある感染症で、その予防には蚊帳の使用が有効です。雨季になると蚊が発生することから、マラリアに感染する危険性が高まります。

ユニセフ・中央アフリカ事務所代表のスリマン・ディアバットは「すでに大雨が降り始め、避難所では蚊が発生しています。蚊から身を守らなければ、避難生活を送る子どもたちがマラリアにかかるリスクが圧倒的に高くなります」と述べました。

保健省の監督のもと、ユニセフは、国内の赤十字と協力して蚊帳の配布を行っています。キャンペーンでは、1世帯につき2張の蚊帳と共に、蚊帳を使うことの重要性やつるし方、手入れ方法を紹介した資料も配布されます。7万5,000世帯が支援対象となる見込みで、すでに主要な避難所を中心に、2月中旬以降、12万張以上が配布されました。

ディアバット代表は「蚊帳が命を守るのです。中央アフリカでは子どもたちの命を奪う最も大きな原因はマラリアです。マラリアにかかっても、紛争のため、治療を受けに病院に行けませんし、医療関係者も避難しています。保健施設の建物も略奪されました。治療を受けられる場所がないからこそ、予防が重要です」と続けました。

NGOと同国の保健分野で活動している国連機関の報告によると、12月初旬以降、マラリアはバンギの主要な避難所40カ所で5歳未満の子どもがかかっている病気のうち4割を占めているといいます。

紛争前、中央アフリカでは蚊帳を使って就寝できる子どもの割合はわずか36%でした。多くの人が何も持てずに避難を強いられている現在、この数字はさらに悪化しています。

避難所では、子どもは特に病気にかかりやすくなります。子どもたちはわずかに提供される仮設の住居で生活しています。しかし、蚊帳を使って就寝できれば、マラリアによる死亡を20%も減少できるのです。

■参考情報

今回の支援は、日本政府と国連中央危機対応基金(UN’s Central Emergency Response Fund)の資金により実現しました。 2013年12月5日から2014年2月9日までに、5歳未満の4万4,500人の子どもたちがバンギの40の避難所で検査を受けた結果、40%がマラリアに罹患していました。マラリアの症例は保健クラスターに集計され、人道支援機関は国内での保健サービスの改善に役立てています。保健分野は、WHOが主導的な役割を担い、NGOや国連機関59のメンバーで構成されています。

■数字で見る概況

  • 中央アフリカの人口/紛争下にある人口 460万人 (子どもの人口230万人)
  • 人道支援を必要とする人 250万人
  • 国内避難民 65万7,000人
  • バンギ市内の避難所57カ所に避難している人 23万2,000人

※数字はすべてOCHA: 2014年3月5日

ユニセフは支援活動を拡大中。現在、首都バンギのほかに現場事務所3カ所(Bossangoa、Bambari、Kaga Bandoro)と移動チーム(Bouarへ派遣)を設置、人員を増強して150名体制で支援活動を行っています。

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