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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたちは今

コートジボワール:政治的混乱の中、多くの子どもたちが学校に戻る

【2011年3月31日 コートジボワール、マン発】

© UNICEF Cote d’Ivoire/2011/Kouakou
コートジボワール西部の町マンで、4カ月ぶりに授業を行うフォファーナ・アブドゥール・ドラマネ先生。政治的混乱のために、6カ月間休校となっている学校もある

コートジボワールでは、政治的混乱が続き、学校が休校となっていましたが、このたび、80万人の子どもたちが、学校に戻って授業を受けられるようになりました。

「学校が再開されて本当にほっとしています。仕事をする環境としてはまだまだ整っていませんが子どもたちを相手に授業ができるのは嬉しいですね」と語るのはマナの町の教師フォファーナ・アブドゥール・ドラマネさんです。

昨年11月の大統領選挙結果を巡って、国内で混乱が起きてからというもの、学校の中には、6ヵ月もの間、閉鎖されているところがあります。

大統領選挙に勝利したアラサネ・ウワタラ氏は、政治的混乱の中で、公務員たちに対し、選挙結果を受け入れないローラン・バグボ氏に抗議するためにストライキを起こすよう促したからです。コートジボワールの公務員の60%が教師。そのため、子どもたちに大きな影響が及んでしまったのです。

国連とユニセフは、地域レベル、あるいは全国レベルでアドボカシー活動(政府への広報・提言的な働きかけ)を展開し、その結果、コートジボワール北部での学校再開が決まりました。そして、その後、大統領選挙に勝利したウワタラ大統領政府が、コートジボワール中の子どもたちの学校を再開するよう命令したのです。

資金が必要

© UNICEF Cote d’Ivoire/2011/Asselin
コートジボワール西部の町ダナネのディオラブグ第3小学校の敷地にいる避難民たち。学校が再開することになったが、教材や備品が不足している

今週、コートジボワールの中央部、北部、西部の学校が授業を再開しましたが、その多くが適切な教室や基礎的な文具を備えていません。

「子どもたちにいろいろ教えられるのはとても励みとなります。なかなか給料を手にできないという辛さはありますが・・・」とドラマネさん。

多くの避難民が混乱と暴力を逃れて学校に住み着きました。そのため、学校を再開するには、教材や備品を調達し直さなければならないのです。教師には補修や研修も必要となります。

ユニセフは、教育資材の提供、教師の研修、学校に就学している120万人の子どもたちを対象にした「バック・トゥ・スクール(学校に戻ろう)」キャンペーンを支えるボランティア教師やコミュニティに対するインセンティブのため、600万米ドルの資金を国際社会に要請しています。

2交代制の授業

Cote d’Ivoire/2011/Asselin
西部の町マンにある、放置されたホテルの敷地にある、水の入っていないプールで臨時の教育を受ける子どもたち。ユニセフの支援で行われている

政治的混乱の中で、100万人が避難していますが(特にアビジャンと西部の国境沿いに集中)、このような状況の中で、緊急に支援が必要とされています。

多くの人たちが安全な場所を求めて北部へと移動しているため、教育制度にも影響を与えています。子どもたちすべてに教育を提供するために、2交代制で対応している学校も多くなっています。

「避難民の子どもたちに教育を続けてもらおうと、2交代制を採り入れています。第1グループが7時から11時まで。第2グループの避難民の子どもたちは、午後に授業を受けます」と語るのは、ユニセフの教育専門家ジェニファー・ホフマンさんです。

子どもたちの中途退学を防ぐ

学校に通い続けることは大切なことです。特に危機的な状況にこそ大切なことだと言えます。学校に通っていない子どもたちは、武装勢力に徴募されたり、虐待に遭ったりする可能性が高くなるからです。すでに不安定な状況にある国では、特に気をつけなければなりません。

「紛争や暴力的な行為が増えると、それに関わっている人たちは、子どもに武器を持つよう挑発することがあります」とホフマンさん。「そこでユニセフは、武装勢力と話し合い、子どもたちの徴募をやめさせ、子どもたちの権利を守り、保護するよう説得を試みています」

教師のドラマネさんは、子どもたちが、本来は9カ月かかる授業内容を、学年が終わるまでの5カ月間に習得してくれれば、と思っています。学校が再開されるまでの間、自宅で一生懸命勉強していたという子どもたちもいます。より良い未来のために、途中で勉学をやめることはしない・・・彼らは固く決意しているのです。

「基礎教育試験を終えて、絶対に看護師になるの!」と語るのは、学校が再開して喜びを隠しきれない女の子でした。

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