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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたちは今

イラク:はじめての全国一斉予防接種週間

【2010年5月6日 イラク発】

イラク南部ワシトにあるアシュ・シュルック小学校の生徒たち。

© UNICEF Iraq/2010/MoH

イラクのナジャフ行政区域の子どもたちの登録作業行う、ユニセフが支援している保健専門家のチーム。

武力紛争と政情不安が続く厳しい状況の中、イラクで初めての全国予防接種週間が実施されました。適切な予防接種を受けていない5歳未満の子どもたちを対象に行われたこの予防接種キャンペーンを通じて、一般的な保健意識の向上も図られています。

ユニセフは、世界保健機関(WHO)、イラク保健省と協力して、将来を見据えた支援を行っています。

保健への投資

イラクの予防接種拡大プログラムを後押しするため、ユニセフは、キルクーク保健総局と共に、同キャンペーンを実施するにあたって必要な“政治的意思”を創出するため、2日間のワークショップを開催しました。行政とNGOの今後の協調関係について話し合われた他、全国予防接種週間の重要なメッセージを広く伝えるためのメディアキャンペーンの強化についても協議されました。

イラク南部ワシトにあるアル・バスラ小学校の生徒たち。

© UNICEF Iraq/2010/MoH

予防接種週間のメッセージを伝える保健スタッフ。

「予防接種は、子どもたちの基本的な権利なのです。」キルクーク当局のアフダル・ラーマン・モスタファさんはこのように話しました。「子どもたちへの投資を促すために、政府やコミュニティの人々と一緒に活動しています。」

ユニセフやパートナー団体は、今回、全国予防接種週間が実現したことは、こうした活動の重要なメッセージが、徐々に現地の保健政策に反映され始めていることを示す一例であると考えています。

「キルクークの首長が、子どもたちの権利を語り、健康や発達のための投資の必要性を訴えているのを耳にして、本当に感激しました。」ユニセフ・イラク事務所の保健と栄養担当官のタハ・アル・ムルタ医師はこう話しました。「前回キルクークを訪問したときの活動の効果が、確実に実を結びはじめているのです。」

極めて重要な恩恵
イラク南部ワシトにあるアル・バスラ小学校の生徒たち。

© UNICEF Iraq/2010/MoH

予防接種週間中、保健スタッフに病気の簡易診療を受けている子どもたち。イラクのほとんどの子どもたちは、予防接種に限らず一般的な保健サービスを享受する機会がほとんどありません。

イラクの全国予防接種週間の重要性は、イラクの厳しい状況の矢面で苦しんでいる母親と子どもたちが明確に感じたようでした。

「武力紛争が激化し、最悪な状況の時でも、3人の子どもたちに予防接種を受けさせることを忘れませんでした。」バグダッド出身のウム・ザイドさんはこのように話しました。

ユニセフは、他の人道支援団体と協力して、イラク全土で、こうした非常に重要な恩恵をもたらしています。特に、通常支援が届き難い農村地域での活動を強化しています。

ユニセフは、今年度中に100パーセントの予防接種普及率を達成するべく、保健スタッフの研修や、イラクの宗教リーダー、女性、若者のグループの代表を含むコミュニティのリーダーなどの応援を取り付けながら、予防接種の重要性を含めた保健の知識の普及を図っています。

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