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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたちは今

イラク:
北部への人道支援ルートを確保
およそ1万世帯が北部・中部から避難

【2014年7月12日 バグダッド発】

エルビル州のトランジットセンターに身を寄せている子ども

©UNICEF/NYHQ2014-0855/Khuzaie

エルビル州のトランジットセンターに身を寄せている子ども

不安定な情勢が続き、避難や移動をする人が増え続けるイラク。ユニセフ情勢レポート(報告期間:2014年6月7日〜2014年7月12日)から、最新の状況とユニセフの支援活動についてお伝えします。

数字で見る概況

支援を必要とする人 150万人
避難生活を送る人 120万人

<目標支援人数>
保健・栄養 36万人、水と衛生 48万人
教育21万5,000人、子どもの保護 50万人

<必要支援額>
3,600万米ドル(約36億3,600万円 ※1米ドル=101円で換算)
※2014年6月20日時点での推計及び地域対応計画に基づく

ユニセフはポリオキャンペーンを実施。ポリオの予防接種を受けたという、紫色の印を見せる子どもたち。

© UNICEF Iraq/2014/Wathiq Khuzaie

ユニセフはポリオキャンペーンを実施。ポリオの予防接種を受けたという、紫色の印を見せる子どもたち。

活動のハイライト

  • ユニセフは、ニナワ州のシンジャル(Sinjar)への人道支援ルートを開き、確保
    7月7日、2回目となる現地視察を行い、避難者への4回目の支援物資の搬送を実施
  • 7月7日に、武力衝突発生以降で初となるはしか・風疹ワクチン10万本を出荷、エルビル国際空港でワクチンを受け取るのは今回が2回目
  • クルド自治区政府の保健省は、自治区内の3州(ドホーク、エルビル、スレイマニーヤ)でのポリオ予防接種を8月10日まで延期し、係争地を含めた予防接種の実施を希望、イラク保健省は8月3日より、ポリオ予防接種を実施予定
  • 教育省は、避難で学年末試験を受けられなかった生徒に対し、9年生〜12年生は8月16日に、それ以外の学年の生徒は8月5日に、試験を行うことを決定
  • ユニセフ・イラク事務所は、北部での避難者の増減や動きなどにあわせて迅速に人道支援を行えるよう、ドホーク州で新たに倉庫を設置予定、7月中旬より稼動予定

現地情勢

  • 紛争下にある地域は治安や生活環境が安定しないことから、避難や移動する人が引き続き増加し、情勢が刻々と変わっている
  • タラファル(Talafar)での対立により、エルビル州のバヘルカ(Baherka)・トランジットセンターへの避難者の流入が続く、これらの人の多くはシンジャルを抜け、南部のナジャフ州やカルバラ州を目指している
  • ベヘルカのキャンプの人口は、1,000人〜6,000人と変動が大きく、人道支援が困難となっている
  • ニナワやサラーハッディーン、キルクーク、アンバールの各州から避難した世帯はおよそ1万、現在、ナジャフやカルバラ周辺に避難
  • ナジャフやカルバラは、もともとは巡礼者が訪れる土地であったが、現在新たに到着する人が増えている
  • ドホーク州の副知事らは、テルカイフ(Telkaif)から今後大量の人が避難する恐れがあるとしている
    テルカイフでは、電力や水の供給が止まり、避難者と住民をあわせ7万人が取り残されている
  • ニナワ州のハマダニヤ(Hamadaniyah)地区も同様の状況にあり、人口のうち8割にあたる5万人が一時的に避難生活を送り、支援を必要としている
  • シンジャルへの人道支援ルートは確保できたものの、生活環境は厳しく、避難者7,000〜8,000人が困難な状況にある、特に5歳未満の子どもの下痢が増加しており、医療・保健サービスがきわめて重要

■参考情報:イラクの基本統計
(出典:ユニセフ『世界子供白書 統計版 2014』)

人口 3,277万8,000人、18歳未満の人口1,542万1,000人、5歳未満の人口482万4,000人、
完全に予防接種を受けた割合(はしか 69%、ポリオ3回 70%) ※統計はすべて2012年

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