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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

ジャマイカ:再びハリケーン被害に見舞われ、支援を待つポートランド教区

【2007年8月23日 ジャマイカ・ポートランド教区発】

© UNICEF Jamaica/2007/ Dias
8月19日、ハリケーン「ディーン」が通過した後、破壊された家を調べる家族。

ガラクタや倒木の上に広げられた衣服、水に濡れたマットや壊れた家具の破片が散乱する中、ポートランド教区の子どもたちは、ケガをしないように、はずかしそうにお母さんにしがみついています。多くの人々が漁業を営むこの小さなコミュニティは、3年間のうちに2度も猛烈なハリケーンを経験したのです。

2005年、ハリケーン「イワン」が、ジャマイカ南部の沿岸地帯を引き裂くように通過した際、ポートランド教区では子ども3名を含む8人が死亡しました。死亡した子どもたちは、安全な場所へ避難させようとした親の努力もむなしく、溺れて亡くなってしまったのです。

そのときから実施された保護対策が功を奏し、今年8月19日にハリケーン「ディーン」に襲われたときには、ひとりの死者も出しませんでした。しかし、ポートランド教区のコミュニティは、再び大きな被害を受けてしまいました。暴風によって、ほとんどの家のトタン屋根が引き剥がされ、激しい雨のために、およそ10cmの高さにまで泥がたまりました。街灯が倒れ、電線も切れてたれ下がっているため、緊急支援物資のきれいな水を積んだトラックの通行も妨げられています。

安全のために避難

子ども13人を含むおよそ180人の人々が、丘の上の小学校へ避難しました。近隣住民とともに高台に避難している家族もいます。

ユニセフは1,000個の貯水容器を提供したほか、4,000人の子どもたちのニーズに対応できる緊急保健キットを調達しました。ジャマイカの地域政府は、さらに1,000個の貯水容器の配布を進めています。ユニセフ・フランス国内委員会は、緊急支援のため、10万米ドルの拠出を決定しました。

「私たちには何も残っていません。」ある被災者の子どもと母親は話します。ハリケーンが通過した後、家に戻ってみたのです。残っていたのは赤いコンクリートの床だけでした。家具や衣服はあらゆる方向へ散らかり、彼女の家は跡形もなくなっていました。

「今はただ、服を乾かそうとしているだけです。必要なものは水と食べ物です」。お母さんは、不安そうに子どもたちを見つめながら、消えそうな声で話しました。子どもたちの学校は一週間後に始まる予定です。しかし、これだけ大きな被害を受けた後では、学校へ戻ることなど、考えられないことなのです。

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