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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

スリランカ:内戦終結 なお続く人道危機


【2009年5月20日 ニューヨーク発】

25年にわたり続いたスリランカ政府軍と反政府組織「タミル・イーラム解放の虎」(LTTE)の内戦が終結しました。しかしながら、スリランカの人道危機は続いています。

現在スリランカでは、25万人以上の人々が避難キャンプでの生活を余儀なくされています。先週末、政府は国連の支援活動スタッフおよびパートナー団体に対し、数箇所の避難キャンプへのアクセスを制限しました。

人道支援へのアクセス
© UNICEF Sri Lanka/2009/Daley
スリランカ北部の紛争地域の避難民のために設置されたテント近くで、飲料水を手に入れるために並ぶ人々。

「国連機関がパートナーと共に行っている人道支援活動を続けることが非常に困難な状況になりつつあります。」ユニセフ・スリランカ事務所のジェームス・エルダー広報官は話します。

「子どもと女性が切実に必要としている支援を受けられるように、滞りのない人道支援活動が、確実に行われなければなりません。」声明の中で、アン・ベネマンユニセフ事務局長はこのように述べました。

「避難キャンプにたどり着いてくる人々の中には、病気や栄養不良に苦しんでいたり、紛争で負傷したにも関わらず治療を受けていない人々もいます。今週末までには、紛争や貧困の影響で苦しんでいるさらに多くの人々が流入し、保健、衛生、水供給システムに多大な影響がでるものと懸念しています。」(ベネマン事務局長)

24時間体制の支援活動
© UNICEF Sri Lanka/2009
スリランカ北部バブーニヤ郊外の避難キャンプ内に設置されたユニセフが支援する栄養センターで、治療を受けるために並ぶ栄養不良の女の子とその母親。

数ヵ月にわたって続いた最近の武力衝突の間に、数千人もの人々が戦闘地域から逃れ、人道支援団体が支援している避難キャンプへ避難を求めました。

「週末に政府による支援活動の制限が行われるまでは、ユニセフはパートナーと協力して、24時間体制で、数百万リットルの飲料水の供給、トイレの建設、母親と子どもたちの保健支援、栄養センターの建設、子どもたちのための学習スペースの設置、家族と離れ離れになった子どもたちのための再会支援などを行っていました。」エルダー広報官はさらに続けます。

「しかし、避難キャンプで長い間苦しんでいるこうした人々のニーズがどんなに高く、不足しているかということは、どれほど言葉をつくしてもいい表すことはできません。こうした状況からも、スムーズな支援活動の再開が非常に重要なのです。」(エルダー広報官)

恒久的な平和を目指して

内戦の終結は、この人道危機の終結ではないと、エルダー広報官は指摘します。

「スリランカは歴史的瞬間を向かえ、和解の方法を探っています。これは、スリランカに、恒久的で安定した平和をもたらすために非常に重要です」と、エルダー広報官。「一刻も早く、スリランカ政府は、人々ができる限り早く故郷の村に再び定住し、彼らの新たな生活を再開できるように保障すべきです。」

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