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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

2001年8月14日掲載

衛生の知識を学ぶサマー・キャンプ
<トルクメニスタン>

「私はばい菌。土の穴のトイレから、地面をつたって水のポンプのところまでやってきたの。これから水を汚くするのよ」レナが語ります。

彼女が演じているのは水源を汚す病原菌の役。もうひとりの女の子、マリナがおしっこのまねをしたときは、トイレの前に下がったカーテンの陰に隠れて、くすくす笑いながらそれらしい音を声で出してくれました。

今日はサマー・キャンプの最終日です。2人の少女は、10日間のキャンプで学んだ成果を発表するために、短い劇を演じているのです。

「健康への道」と名づけられたこのキャンプは、中央アジアのトルクメニスタン北部の町、Dashoguz近郊の、樹木が茂った庭園のなかで開かれます。今年の夏で3回目を数えるキャンプは、毎回異なるテーマを設けています。地元の学校の先生たちが指導者を務め、ユニセフが支援をしています。

今年のキャンプでは60名の子どもたちが、保健衛生について学びました。トルクメニスタンでは、衛生に関する知識がまだ充分に普及しておらず、住民のほとんどは衛生の問題を重要なことと考えていません。

農村地域では、安全な飲み水が手に入る住民は全体のわずか2%に過ぎません。ここDashoguzでも、水質について行政当局のチェックは行われていません。この2年間に中央アジアを襲った干ばつも、深刻な状況に追い討ちをかけています。水の供給が減ったために、汚染された水が健康に多大な被害を及ぼすようになり、とくに飲料水を媒介する伝染病が広がっています。

レナとマリナが演じた寸劇は、飲み水の水源近くにトイレを作ってはいけないことを教えてくれます。しかしこのルールは、ほとんどの家庭で守られていません。サマー・キャンプに参加した子どもたちは、近隣の地域を訪ねて、水の衛生管理について人びとと話しあいました。

「私たちが訪ねた家では、」と12歳のマリナは話しました。「水のポンプからトイレまで7メートルしかなかった。これでは近すぎるわ。25メートルは離さないと。」

「水のポンプが、畑に水を引く溝のすぐそばにあったの。その溝では、牛や羊がおしっこやうんこをしているかもしれない。ごみ置き場もなくて、家の横に積んであったわ。トイレもハエがいっぱい飛んでいたから、蓋をしたほうがいいと思う。」

少女たちは訪ねた家で、衛生的に問題があると指摘しました。しかし家の人たちは、具体的な点を教えてもらっても、どうにかするお金がないと答えました。

子どもたちが学んだ知識を地域に伝えることが、サマー・キャンプの目的のひとつです。伝統が強く残る社会では、おとなたちは子どもに助言されても、なかなか聞き入れないのがふつうです。しかしレナとマリナによると、二人が訪ねた家では、みんな彼女たちの言うことに耳を傾けてくれたそうです。

もちろんキャンプでは、子どもたち自身が楽しむことも重要な目的です。トルクメニスタンの教育では、機械的に知識を記憶することに重点が置かれており、子どもたちが自分の力で新しいことを発見する機会があまりありません。「健康への道」キャンプでは、子どもたちが楽しく学習できるよう指導者が工夫をしています。最終日、子どもたちは手を叩きながら歌や踊りを披露してくれました。それを見るかぎりでは、キャンプの試みは成功しているようです。

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