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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

ユニセフ、イエメンでの緊急人道支援活動に5億6,300万円の支援を求める

【2009年9月3日 アンマン/ジュネーブ/ニューヨーク発】

© AFP/Getty Images/Fazaa
避難民キャンプに設置された給水所で飲料水携行用ポリタンクに水を汲むサアダ北部から避難してきた女性。イエメン北部で続く武力紛争で、多くの市民が影響を受けています。

ユニセフは2日、イエメン北部のサアダ地域で最近悪化した武力紛争の影響を受けている女性と子どもたちへの支援活動に必要な資金として、国際社会に対し、610万米ドル(約5億6,300万円)の資金援助を要請しました。

この要請は、総額約2,350万米ドル(約21億7,000万円)の国連各機関合同緊急アピールの一部として、本年末までの活動資金として要請されたものです。

「子どもたちは、今まさに、この武力紛争によって大きな影響を受けています。この影響は、しかしながら、何年にもわたり子どもたちを苦しませるものです。」ユニセフ・イエメン事務所のアブドゥ・カリモウ・アジバデ代表はこう話します。「子どもたちは、食糧もなく、病気や怪我を治療する機会も奪われ、学ぶ機会も閉ざされ、危険な状況に晒されています。こうした不安定な環境の中にいる子どもたちを支援するために、国際社会は力を結集させることが必要です。」

ユニセフの要請額半分近くにあたる約300万米ドルは、避難を余儀なくされた人々とこうした人々を受け入れているコミュニティに対する安全な飲料水や衛生施設(トイレ)の提供、公衆衛生キットの配布といった、緊急の活動を実施するために必要な資金です。避難キャンプでは、安全な飲み水が非常に限られているだけでなく、劣悪な衛生状況が、人々の健康に深刻な影響を与えています。こうした状況によって発生が予想される感染症などの被害から子どもたちを守るため、ユニセフは、他の国連機関、NGOなどの他の人道支援団体と協力して、こうした問題に対処してゆく予定です。

現在、国内避難民となっている人々の中で、就学年齢にある子どもの数は、5万5,000人と推定されています。武力紛争によって、この子どもたちの教育が中断されることがあってはなりません。ユニセフは、キャンプの中に子どもたちのために学習スペースを確保し、教材を配布し教員のトレーニングも実施する予定です。こうした支援のために、約125万米ドルが必要とされています。

また、ユニセフは避難を余儀なくされている子どもたちや、こうした子どもたちを受け入れている地元のコミュニティの子どもたちの栄養不良対策のための資金も必要としています。7万5,000人の5歳未満の子どもを含む約25万人が、栄養不良を改善するこうした支援の恩恵を受けることになります。

ユニセフはまた、今後4ヵ月にわたって、次のような活動も実施します:

  • 避難キャンプで親と離れ離れになったり、保護者を失った弱い立場の子どもたちの保護
  • 避難を余儀なくされた子どもたちへの心理社会的な支援
  • (避難キャンプや避難民を受け入れている地元のコミュニティの人々に)こうした状況で子どもたちが直面している脅威に対する認識を広める
  • 避難している子どもたちの出生登録の推進

ユニセフは、イエメンで現在深刻化している状況を懸念しています。推定約15万人の人々が、武力紛争によって住まいを追われ、飲料水や医療などの基礎的な社会サービスへのアクセスも閉ざされています。避難を余儀なくされた人々のうち少なくとも60パーセント以上は、子どもたちです。紛争と政情不安が継続する中、避難を余儀なくされた多くの人々に、人道支援がまだ届いていない状況です。

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