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財団法人日本ユニセフ協会





アフガニスタン緊急・復興支援 第12報
ユニセフ パキスタンとアフガニスタンの洪水被災地で、支援活動を本格化

【2010年8月3日 ジュネーブ/イスラマバード発】

© UNICEF/Pakistan/Martin Mogwanja

ユニセフは、パキスタン北部の数州を襲った深刻な洪水被害の被災者数百万人に、緊急支援物資を届ける作業に全力をあげています。被災地に壊滅的な影響を及ぼした今回の洪水は、過去80年間で最悪と言われており、140万人の子どもを含む推定320万人の人々が被災したものと見られます。

「最も懸念されるのは、下痢性疾患やコレラのような水を媒介とする病気の流行です。これは、特に子どもたちにとっては、命にかかわる問題です。すでに、子どもたちの間の下痢性疾患の発生が報告されています。食糧、飲料水、医療品、高カロリービスケット、女性と子どもたちの衣服、ワクチンが緊急に求められています。人道支援物資の第一便は、すでに被災者の元に届けられました。人々の命を左右する今後数日間のうちに、追加の支援物資が届けられる予定です。」ユニセフ・パキスタン事務所のマーティン・モグワンジャ代表はこのように話しました。

洪水により、道路は浸水し、橋は流され、インフラが広範囲に破壊されています。電力供給は遮断され、病院や学校、上下水道に被害が及んでいます。ユニセフは、ある被災地では、井戸の80パーセントが破壊されていると報告しています。多くの人々が、高台にある学校などの建物で寝泊りしている状況です。

「農作物の被害も広範囲にわたっています。多くの家畜も失われました。ほとんどの農作地帯で、現在、食糧の確保が困難であるばかりでなく、将来的にも、悪影響が懸念されます。ユニセフは、長期的に人道支援活動を続けることを前提に、現状では人命を守るための支援を最優先に。そして、中長期的には、被災地の復興支援を行っていきます。」(モグワンジャ代表)

ユニセフは、これまでに、衛生キット、給水タンク、高カロリービスケットなどの緊急支援物資を提供。73箇所の井戸を修復し、80万人の人々がこの恩恵を受けています。また、100万人の被災者に対応できる医療用テント24基を設置しました。

ユニセフは、洪水の影響を受けた人々のための当面の緊急支援活動に必要な資金として、国際社会に対し、1030万米ドルの支援を求めています。

アフガニスタンでも洪水被害

アフガニスタン中部・東部も、先週の集中豪雨によって、洪水の被害に見舞われています。

アフガニスタン政府は、この洪水により、カピサ、中部ガズニ、ラグマーン、ナンガハル、クナル、ロガル、北パルワンの数千人の人々が住む場所を失い、4,000棟以上の家屋が倒壊したと伝えました。大雨によって、道路や橋は崩壊。政情不安も重なり、人道支援活動は難航しています。現在までの死者数は、80人と報告されています。

ユニセフは、8月2日までに、ナンガハルとクナルに430基の避難テントを提供しました。また、2,000世帯分の家庭用飲料水キット、貯水用の資材、浄水用の塩素錠剤、5歳未満の1万人の子どもたちと妊産婦・授乳期の女性のための高カロリービスケットなどの支援物資が、現地時間2日中にカピサに到着する予定です。

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今回大洪水の被害を受けた地域は、内戦などによって多くの人々が避難生活などを強いられていた地域でした。(財)日本ユニセフ協会では、緊急募金を受け付けております。みなさまのご協力をお願いいたします。