公益財団法人日本ユニセフ協会
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アフリカ干ばつ緊急募金 第79報
マリ北部でコレラが流行 ユニセフ6万人の子どもたちに衛生キットを届ける

【2012年7月16日 マリ バマコ/ダカール発】

© UNICEF/NYHQ2010-2392/Olivier Asselin
マリのカヤス地域ファタオ村にある小学校で手洗いをしている女の子(2010年)。写真はイメージです。

干ばつに苦しむサヘル地域に位置するマリはいま、コレラの広がりが危惧されています。ユニセフは、緊急支援活動の一環としてこの状況に対処するべく、水と衛生キット2万セットをマリ北部に急送しています。

現在、コレラの脅威にさらされているマリ北部のガオやティンブクトゥに暮らす6万人の子どもたちを含む約12万人に、浄水剤、貯蔵容器、そのほかの資材といった支援物資が届けられる予定です。こうして届けられた支援物資は、地元パートナーを通して配布されることになっています。

コレラが流行し始めた約10日前から、マリ北部では、ニジェール川沿いに位置しているガオ地方のワバリア、ラッベザンガ、アンソンゴで56人が命を落とし、そのうち6人が子どもでした。コレラは、サヘル地域の他の国々でも流行していますが、大量の避難民を出しているマリ北部の人道危機と雨期の開始によって、今後数週間で、コレラの発症件数が、急激に増加する恐れがあるものと懸念されているのです。

「マリ北部のさらなるコレラの蔓延を防ぐために、できることはすべてやらなければなりません。この地域は、すでに、栄養危機と武力紛争の深刻な影響を受けている地域なのです」ユニセフ・マリ事務所のフレデリック・シザレット副代表はこう強調します。「こうした衛生キットの支援によって、マリ北部の2万世帯に清潔な飲料水へのアクセスが確保され、 ‘汚れた手’から引き起こされる病気から、自らを、そして特に最も厳しい立場の子どもたちを守ることができるのです」

コレラの流行が報告されてからすぐに、ユニセフは、500件のコレラの発症件数に対応しているガオのパートナーのために、医薬品や機材を運ぶための3台のトラックを手配。

© UNICEF/NYHQ2010-2393/Asselin
マリのカヤス地域ファタオ村にある小学校で手洗いをしている子ども(2010)。写真はイメージです。

また、50万人のコレラ予防対策が、流行する危険の高い地域で既に実施されています。キットの配布と共に、水を浄化する方法の説明や、より良い衛生習慣を促す取り組みも行われています。

今週配布した2万セットの水と衛生キットには、折りたたみ式の貯水タンク、バケツ、6人家族が十分に使用できる量の石けんと浄水剤6ヵ月分などが含まれています。

シザレット副代表は次のように訴えました。「マリが直面している栄養危機と政情不安が高まる中でのコレラの流行は、人々の脆弱性をさらに高め、緊急支援活動を脅かす危険もあります。この危機に対応するためには、さらなる資金が緊急に必要です」

マリの今後の水と衛生分野での活動を継続するために、ユニセフ・マリ事務所は、15.8万米ドルの資金を求めていますが、2012年6月現在、このうち集まっている資金は、わずか12パーセントにとどまっています。