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財団法人日本ユニセフ協会
 



東日本大震災緊急募金 第17報
協会職員とユニセフ専門家の連携

【2011年3月28日 東京発】

© 日本ユニセフ協会
支援物資を手渡される子どもたち。

大地震発生から2週間以上が経過。日本ユニセフ協会は、ユニセフ現地事務所の専門家や、被災地の自治体、同地で活動するパートナー団体のみなさまとともに、被災地の子どもたちのために全力で活動しています。ユニセフ・ベトナム事務所から応援派遣された安田医師とともに、先週末から再度岩手県入りしている日本ユニセフ協会の菊川穣は、27日(日)、いわて生活協同組合の協力を得て、大槌町の安渡小学校の避難所にいる子どもたちに、ユニセフのレクリエーションキットを届けました。

避難所でボランティアをしている中学生の子どもたちにも手伝ってもらいながら届けられたレクリエーションキット。ここでも、ユニセフの支援物資は、子どもたちに喜ばれたようです。「2歳の妹さんのさとみちゃんの喜ぶ姿を見て、手伝ってくれた中学生ボランティアのひとり、13才の小国美吹さんからも笑顔がこぼれていました。」(菊川)

「私も一児の父親ですから、被災地の子どもたちが笑顔を見ると、涙が出るくらい嬉しいです。」と語る菊川は、28日には、岩手県庁の関係者のみなさまと、今後の支援内容について協議させていただいています。

一方、仙台では、当協会職員の谷口光が、支援物資の避難所への配送や、応援派遣されたユニセフ専門家の現地での滞在や移動、広報対応、宮城県内のパートナー団体との連絡調整活動を続けています。

「27日は、仙台市内から気仙沼へ向かうはずの車両が、ガソリン不足で途中引き返さざるをえない事態となってしまいました。ガソリンの供給状況が改善するまでは、今のところ燃料不足の心配のないタクシーの利用を考えます。」「宮城での今後の活動拠点となる事務所と、支援物資の一時預け場所を探しています。レクレーションキット、ぬいぐるみ、マットなどは、県の教育関係の方々からのご協力が得られそうですが、できるだけ早急に倉庫を確保する予定です。」(谷口)

ボランティアさんも活躍

25日に、宮城県石巻市の蛇田中学校に届けられた『箱の中の幼稚園』の第一号。先日も、その様子をお伝えしましたが、その現場に居合わせたのが、かつて日本ユニセフ協会神奈川県支部でボランティアをされていた西尾留美子さんでした。子どもたちの遊び相手のボランティアとして、現地入りしていた西尾さん。「体育館にいた子どもたちに『遊ぼ!』と声をかけ、集まってもらいました。この声かけが大事でした。ユニセフが配布した『箱の中の幼稚園』が大活躍。IKEAさんのマットもとても役立ちました。」と、「箱の中の幼稚園」が届いた時の様子を伝えてきてくれました。

井本さんの報告

© UNICEF/2011/N.Imoto
宮城県石巻市の青葉中学校の避難所に設置された「子どもに優しい空間」で遊ぶ子どもたちと井本さん(左)。

28日深夜、ユニセフ・ハイチ事務所の教育専門家井本直歩子さんから届いた報告です。

今日(27日)は、石巻市教育委員会にご推薦いただき、約800人の方々が避難生活をおくる石巻市の青葉中学校に行きました。「子どもに優しい空間」を、校内の空いたスペースに設置してもらい、約20人の子どもたちが「箱の中の幼稚園とレクリエーションキットで元気に遊んでくれました。

全部で100名弱の子どもがいますが、今までは主にマンガやゲームで遊んでいたとのことでした。1階のスペースにはゲーム(カードゲームのようなもの)が置いてあり、数人の男の子たちが遊んでいました。実は最初、「子どもに優しい空間」に使用するスペースは空いていないと言われたのですが、職員室内にいたひとりの先生が「あの階段の前のスペースはどうでしょう」とおっしゃって下さり、校内放送でボランティアを募ってくださりました。今日はボランティアの方が見ていてくださいましたが、今夜の会議で、今後「子どもに優しい空間」をどう運営していくかを話し合ってくださるそうです。明日、日本ユニセフ協会ボランティアの楜澤(くるみさわ)さんが再度行って、結果を聞いてもらいます。日本ユニセフ協会ボランティアの中島さんにも明日以降、同中学校に数日入って管理体制の強化をして頂く予定です。

次に、こちらも教育委員会からの勧めで、現在292人の方が避難生活をおくっている釜小学校に行きましたが、こちらはスペースがないということで、一旦キットを置いてきました。電気、水がなく、大変寒く、1階は完全に浸水し、校舎のまわりに車が乗り上げています。600名ほどの児童のうち、あと7人の安否確認ができていないそうです。地震が起こったとき、1、2年生は下校していました。体育館は卒業式の準備中で月末まで使えません。校庭も浸水して使えないので、子どもたちは部屋の中にいるしかありません。

図書室の本は貸し出しされていますが、子どもたちはもうすべての本を読み尽くしたと図書館の担当の方は言っていました。教頭先生曰く、「子どもの遊び場がないので親御さんも他に移っていっている」とのことでした。「子どもに優しい空間」の設置(スペースの確保)について避難所のリーダー会議で明朝話してくださるので、明日、確認してもらいます。

引き続き、「子どもに優しい空間」を定着させるためのフォローアップ、他の受け入れ先の確定、さらに心のケア専門家(プレイセラピスト)の動員に全力をあげたいと思います。

現在の支援物資到着状況

支援先
(県別)
支援物資 到着日 数量 寄贈企業 備考
宮城 3月19日 12,288本 VanaH(株) 2Lペットボトル
福島 3月22日 12,672本 VanaH(株) 2Lペットボトル
宮城 男児・女児用下着 3月22日 20万枚    
岩手 男児・女児用下着 3月23日 3万枚    
福島 3月23日 4680本 キリンMCダノンウォーターズ(株) 2Lペットボトル
宮城 子ども用靴 3月23日 10000足  
宮城 子ども用おむつ 3月24日 80パック P&G  
岩手 子ども用下着 3月24日 9700枚    
福島 3月24日 12,288本 VanaH(株) 2Lペットボトル
岩手 3月26日 1404足 アキレス(株)  
岩手 男児・女児用下着 3月27日 28,266枚    
岩手 長靴 3月27日 7462足    
岩手 お尻ふき 3月28日 1200個 P&G 赤ちゃん用

※一部支援物資については、各県の物資集積倉庫より他県の避難所または被災者に配布されている場合もございます。

2011年3月28日午前9時現在 (広報室まとめ)