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財団法人日本ユニセフ協会
 



東日本大震災緊急募金 第39報
支援の最前線で活躍するボランティアさんたち

【2011年4月21日 東京発】

今日(21日)、被災地では、多くの学校が始業式を迎えています。当座の文房具や先生方の仕事に必要な様々な学校用備品の提供など、日本ユニセフ協会が、学校再開のために続けてきた支援。また、震災発生直後から各地で続けている「子どもに優しい空間」活動を通じた心のケア支援。こうした活動の最前線、そして後方支援の現場は、多くのボランティアの方々の姿がありました。

悲しみや辛さを分かち合えるような気がします。

© 日本ユニセフ協会
文房具の梱包作業にあたる広島、岡山、香川、愛媛各県から駆けつけたボランティアの皆さん。

岩手県の被災地に向けて、岡山県で準備された小中学生約16,000人分の文房具セット。その作業には、岡山、広島、香川、愛媛各県のユニセフ協会から、のべ105人のボランティアさんたちが応援で駆けつけてくださいました。「今回2日間赤ちゃんをおんぶして作業に参加してくださったお母さんがいます。5か月の赤ちゃんは、お母さんの背中で寝たり、笑ったり。こんなお母さんに育ててもらえる子どもは幸せです。」と語るのは、岡山ユニセフ協会の片岡雅子さん。

「『作業の途中で、この文房具を喜んでくれる子どもたちの笑顔と、これをもらうことができなかった、天国に行ってしまった子どもたちのことを考えると、胸が苦しくなってしまいました。』『少しの時間だけでもこうして具体的なこととして、子どもたちのために何かができたこと、とてもうれしかった。しんどければしんどいほど、被災地の方の悲しみや辛さを分かち合えるような気がします。』 皆さまが作業に参加し、少しでもできることがあったことに感謝してくださっています。」(片岡さん)

© 日本ユニセフ協会

東京や神奈川県でも、大勢のボランティアさんたちが、全国から『ちっちゃな図書館』プロジェクトにお寄せいただいた当初の予想を大きく上回る数の絵本や紙芝居、児童書の仕分け・梱包・発送作業を、連日続けてくださっています。

【右写真】「ちっちゃな図書館」の絵本の仕訳け・梱包・発送作業にあたる神奈川県ユニセフ協会のボランティアの皆さん。

「子どもに優しい空間」を創った学生たち

© 日本ユニセフ協会
宮城県石巻市の避難所に設置された「子どもに優しい空間」で遊ぶ子どもとボランティさん。

一方、岩手県や宮城県の被災地では、県内外から集まった40名程の大学生の方々が、ボランティアとして、ユニセフから応援派遣された日本人専門家らの指導のもと、「子どもに優しい空間」を通じた子どもたちの心のケアのための支援活動にあたりました。「子どもに優しい空間」は、コペンハーゲンのユニセフの物資供給センターから届けられた「箱の中の幼稚園」や「レクリエーションキット」に、日本の子どもたちに馴染みのある紙粘土や折り紙等も加え、子どもたちが楽しく遊べるよう工夫しながら展開されています。

「子どもたちと顔見知りになってきて嬉しいです。お絵かきをすると津波の絵を描いてしまう子どもがいて、複雑な気持ちになりました。」と語るのは、宮城県の活動に参加してくださった大学4年生の斎藤かんなさん。また、大学1年生の大高光貴さんは、「被災地のためにずっと何かしたいと思っていました。子どもたちは思いのほか元気で安心しました。今回、このような機会をいただけてとても感謝しています。」、また、岩手県の活動に参加してくださった盛岡短期大学の佐々木歩さんも「TVで被災地の様子を見ていて、とてももどかしく感じ、今回参加しました。活動は大変でしたが、小学生がこれでより生活しやすくなると思うと、がんばることができました。私の弟も小学生なので、弟と同じくらいの子どもたちの少しでも役に立てたのなら、うれしいです。」と語っています。

石巻市の避難所で「子どもに優しい空間」活動にあたっていた日本ユニセフ協会の浅見有希子は、この活動を始めて3週間以上経ってから、やっと少しずつ自ら震災のことを話し始めた子もいたと語ります。下校途中に津波警報を聞き、急いで学校に引き返して一命を取り留めたある中学1年生の男の子は、「『クラスメイトの中にはまだ見つかっていない子もいる。4月から中学生になるけど、買ってあった制服も汚れてしまった』と話していました。また、お母さんは、瓦礫の山に囲まれた家に戻ったら、誰かの遺体が見つかるかもしれないと、毎日おびえていると言っていました。」「子どもたちは、ユニセフが来ることをとても楽しみにしてくれています。見た目はふつうの子どもたちと変わりありません。しかし、肩車や抱っこ、おんぶなどをせがんで甘えたり、ちょっとしたことで泣いたり、乱暴になったり、明日も来てくれる?と必ず聞いたり、一つひとつのしぐさや表情に、子どもたちの悲しみや不安など心の表れを感じるときがありました。」(浅見)

© 日本ユニセフ協会

浅見とともに、宮城県内での活動に参加した明治学院大学の黒滝颯一郎さんは、「10日間子どもに優しい空間のボランティアとして活動してきました。その中で、一年かかっても経験できないことを経験しました。被災地には、何もかも無くなった状況の中で、それでも強く生きる人たちがいて、自分も強く生きなければならないと思いました」と話しています。

【右写真】 「3月11日の地震が起きたとき、体育館に行ったら、天井がバーン、バーンと音がして窓ガラスが割れて、時計とかが落ちてきた。皆で一緒に片付けていたんだけど、4月7日の余震で、またガラスが割れて、また皆で片付けたんだ。」石巻市立東浜小学校で避難生活を送っている鈴木遥斗くんは、ボランティアの黒滝颯一郎さん(明治学院大学生)に語っていました。

現在の支援物資到着状況

支援先
(県別)
支援物資 到着日 数量 寄贈企業 備考
宮城 3月19日 12,288本 VanaH(株) 2Lペットボトル
福島 3月22日 12,672本 VanaH(株) 2Lペットボトル
宮城 男児・女児用下着 3月22日 20万枚    
岩手 男児・女児用下着 3月23日 3万枚    
福島 3月23日 4680本 キリンMCダノンウォーターズ(株) 2Lペットボトル
宮城 子ども用靴 3月23日 10000足  
宮城 子ども用おむつ 3月24日 80パック P&G  
岩手 子ども用下着 3月24日 9700枚    
福島 3月24日 12,288本 VanaH(株) 2Lペットボトル
岩手 3月26日 1404足 アキレス(株)  
岩手 男児・女児用下着 3月27日 28,266枚    
岩手 長靴 3月27日 7462足    
岩手 お尻ふき 3月28日 1200個 P&G 赤ちゃん用
宮城 レクリエーションキット
「箱の中の幼稚園」
4月2日 各50   ユニセフ物資供給センターより調達
岩手 レクリエーションキット
「箱の中の幼稚園」
4月2日 各50   ユニセフ物資供給センターより調達
宮城 ランドセル 4月6日 70個 日本ニューバッグチェーン  
岩手 ランドセル 4月6日
-7日
340個 セイバン  
宮城 学校用かばん 4月8日 18,000個   ユニセフ物資供給センターより調達
岩手 学校用かばん 4月8日 18,000個   ユニセフ物資供給センターより調達
宮城 防犯ブザー 4月8日 5,000個    
岩手 防犯ブザー 4月8日 5,000個    
福島 4月11日 1536本 VanaH(株) 2Lペットボトル
宮城 レクリエーションキット
補充素材
4月12日 60セット
宮城 ミニカー 4月12日 約1200 タカラトミー
相模原* 4月12日 12288本 VanaH(株) 2Lペットボトル
宮城 プレイマット 4月13日 2種
各80枚
IKEA
宮城 お絵かきセット 4月13日 60セット IKEA
岩手 いす(3〜5歳) 4月14日 75脚  
岩手 テーブル(6人かけ) 4月14日 11台  
岩手 座卓 4月14日 9台  
岩手 小・中学生用ノート・文具セット 4月15日 (16,700セット)    
宮城 PC183台 4月18
-21日
(61ヶ所×3台)   被災した各幼・小・中・高と移転先に配布
宮城 コピー・FAX複合機 4月18
-21日
57台   被災した各幼・小・中・高と移転先に配布
宮城 プリンター 4月18
-21日
61台   被災した各幼・小・中・高と移転先に配布

*被災者受け入れ場所

※一部支援物資については、各県の物資集積倉庫より他県の避難所または被災者に配布されている場合もございます。

2011年4月20日午前9時現在 (広報室まとめ)