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財団法人日本ユニセフ協会
 



東日本大震災緊急募金 第125報
被災地の子どもたちを守ろう
子どもへの暴力防止の実現にむけて
岩手県・山田町でCAPワークショップを開催

【2011年11月21日 岩手・山田町発】

日本ユニセフ協会では、東日本大震災で甚大な被害を受けた被災地における「子どもの保護」の支援の一環として、社団法人J-CAPTAと連携し、子どもたちの人権を守り、暴力を予防し、本来持っている一人ひとりの生きる力の回復を、復興の中で継続して支えていくプロジェクトを進めています。

具体的には、CAPプログラム(「子どもへの暴力防止」の略で、子どもたちがさまざまな暴力から自分の心と体を守るための教育プログラム)を実践する、暴力防止スペシャリストを地域で養成しながら、被災・避難地域の学校や児童養護施設等での子どもやおとなを対象にしたCAPワークショップを実施しています。2011年10月、11月には、仙台、盛岡を会場として、被災地で子どもたちと関わるおとなを対象としたCAPスペシャリスト養成講座を実施し、約70名が40時間にわたって行われたプログラムを受講しました。

11月21日、「子どもへの暴力防止おとなプログラム ~子ども一人ひとりを大切に~」をテーマに、山田町中央公民館にてワークショップが開催されました。今回のワークショップは、CAPスペシャリスト養成講座を受講した、岩手県・山田町の児童相談員の方々が中心となって企画され、震災後の岩手県被災地で初めて実施されました。地域で活躍する民生委員・児童委員、学校教師、保育士をはじめとした、子どもたちと触れ合う機会の多い立場にあるおとな約30名が参加しました。

約2時間行われたワークショップのなかで、前半は、「暴力」とは何か、子どもたちはなぜ暴力を受けやすいのか、その対処方法について学びました。後半は、子どもが遭遇しがちな、いじめ、誘拐、性暴力の場面を、子どもにもわかりやすく再現した劇を見て、子どもたちは自分で自分の身を守ることができるということを知り、おとなには何ができるのかを考えました。参加者は、普段地域の子どもたちと接しているなかで感じることを話したり、自分の子どもや孫と過ごした経験を踏まえた具体的な質問をしたり、参加者同士で意見を交換するなど、アットホームな雰囲気の中で、積極的に参加していました。

「子どもたちの不安な気持ちは、ため込んでいても消えることはありません。子どもたちは、そのことがわかってほしいと伝えるサインを出します。そこでおとなが、子どもたちの話に耳を傾け、肯定し、受け入れられる環境づくりが大切なのです」と、講師の石附幸子さん(J-CAPTAトレーナー)は語りました。

今回のワークショップを企画した、山田町で児童相談員を務める上野美智子さん、阿部信子さんは、「今回のワークショップを通じて、子どもたちがおとなといつでも相談ができ、山田町が子どもたちにとって暴力のない地域にしたい。そして子どもたちがいつか、山田町で生まれてよかったと言ってくれるような街づくりを目指したい」と語りました。

日本ユニセフ協会とJ-CAPTAは、2012年2月にかけて宮城、岩手、福島の各県の全15ヵ所、54回を予定に、各自治体、学校を中心として、地域のおとなや子どもを対象としたワークショップを無料で実施します。なお、このプロジェクトは2013年まで継続して行われます。

ワークショップについての詳細は、J-CAPTAまでお問い合わせください。
電話/FAX: 011-666-8517
メール:j-capta@j-capta.org

写真クレジット全て:© 日本ユニセフ協会

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