HOME > 世界の子どもたち > 緊急支援情報 > 東日本大震災緊急募金
日本ユニセフ協会
 



東日本大震災緊急募金 第178報
「未来の七郷〜20才になったときのまちの姿」発表会

【2012年12月21日 宮城発】

畑の近くに野菜市場。地元でとれた新鮮な野菜をまちの人々に食べて欲しいという願いがこめられています。

「人の笑顔を大切にするまち」、「緑が豊かな、住みやすいまち」、「自然を利用して環境に配慮したまち」。どれも、子どもたちが自分たちのまちの未来の姿を考える際のテーマです。仙台市立七郷小学校の6年生4クラス157名が、11月と12月の総合学習の時間を使って、8年後の七郷のまちの模型を作った発表会。12月11日に、保護者や、地元の関係者も招待して実施されました。

日本ユニセフ協会は「子どもにやさしい復興計画」として震災復興に向けたまちづくりに子どもたちの声が反映されるように様々な機会を応援しています。七郷小学校の取組みへの協力もその一環として、住環境・まちづくり学習等の分野で活躍する山形大学地域教育文化学部の佐藤慎也教授、ならびに本事業の基となっている「子どもと築く復興まちづくり」を提案した株式会社竹中工務店と行う協同プロジェクトです。

屋根の上には黒いソーラーパネル。緊急時の発電に備え、自宅でも電気を備蓄します。街角には物資の備蓄庫も用意されています。

4クラスから選ばれた未来のまちの4人の市長と16区長が中心となり、みんながそれぞれのアイディアを持ち寄り、16枚のパネルに色とりどりのまちの模型をつくりました。時には、実際にまちに出かけて、将来のまちのイメージを組み立てていきました。「使わせていただいた素材に立体感があったので、子どもたちもイメージを膨らませ易く、大変良かったのだと思います」と語るのは、総合学習担当の亀崎先生。

人と環境がリンクしたまち

ソーラーパネルがついた住宅や街灯。家庭で使用する電気を発電する水車。地元でとれた新鮮な野菜がすぐにまちの人々に届けられるようにと畑に隣接した野菜市場。センサーがついてバスの到着を知らせるバス停。事故のないように自転車専用道路。環境にやさしいグリーンカーテンのある図書館。どれも子どもたちの自らの生活の場に関する強い願いが込められているようです。「細かい所の飾りつけは大変だったけど楽しかった」。担当した区画を説明してくれた女の子が笑って教えてくれました。

全区画を合わせた町全体の様子は圧巻。4つの素敵な町全体を見渡すことができました。

山形大学の佐藤教授も「人と環境がリンクしたまち。さらに、津波など何かあった場合に備える防災の観点が加わって素晴らしいまちができました。盲導犬と一緒に逃げることができるようにといった心遣いや、神社の鳥居を一生懸命に作る姿など、一つ一つの作業に丁寧に取り組む皆さんの姿がとても印象的でした」と、温かい講評をくださいました。

各クラスによる4つの提案。全区画のパネルを繋ぎ合わせると圧巻。4つの素敵な町全体を見渡すことができました。「8年後、この模型のようなまちになるように、地域のために力を尽くしていきたいと思います。」児童代表の挨拶は、おとなと一緒に新しいまちづくりに積極的に関わっていきたいと考える子どもたちの復興にかける意欲が反映されていました。

写真クレジット全て:© 日本ユニセフ協会

pdf緊急・復興支援活動 1年レポート(収支報告)はこちら[5.96MB] »