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日本ユニセフ協会
 



東日本大震災復興支援 第227報
レーク事務局長が来日 宮城県の被災地を再び訪れる
子ども主導の復興・防災の取り組みを視察

【2014年3月6日 東京/宮城県女川町・仙台市発】

アンソニー・レーク ユニセフ事務局長が2月23日から26日まで外務省の賓客として来日しました。東京で政府要人と会談した後、2011年の東日本大震災時に訪れた宮城県女川町と仙台市を再び訪れ、地元の小中学生と交流、子どもたちが主体的に進める復興・防災の取り組みを視察しました。

未来の命を守り、まちの姿を考える子ども達

© 日本ユニセフ協会
アンソニー・レーク ユニセフ事務局長は、女川中学校で「いのちの石碑」を視察しました。

レーク事務局長は25日、最初に宮城県女川町立女川中学校を訪問。3年生と一緒に給食を食べてから、生徒達が校庭に建てた「いのちの石碑」の説明を受けました。東日本大震災で、多くの人が津波の犠牲となった同町。石碑は、津波が到達した最高地点に設置し、将来、住民がそこより上に避難することを促すものです。「千年後の命を守る」をスローガンに、生徒達が資金を集め、2013年11月に第一基目を完成させました。レーク事務局長は「震災の記憶を残し、皆さんの不屈の精神と地域の絆の強さを示す本当にすばらしいものです」と賞賛、「子どもは災害で最初に犠牲になります。災害に強い地域をつくるためには、子どもの声に耳を傾け、皆さんのような若い人たちから学ばなければいけません」と述べました。説明をした生徒は「災害が多い世界の他の地域の人たちにも、僕らの取り組みを知ってほしいです」と話しました。

© 日本ユニセフ協会
七郷小学校で子どもたちが制作した「未来の七郷まちづくり」の模型をじっくりと見るレーク事務局長。

その後、訪れた仙台市立七郷小学校では、昨年12月に開催された「未来の七郷まちづくり」をテーマとした「まちの模型づくりワークショップ」において、生徒自身が復興後のまちの姿を考え、制作した模型を見ながら話を聞きました。同校の学区は一部が津波で浸水し、現在、学校の周りは新しい宅地の開発が進んでいます。6年生は「校庭で走った振動から発電する仕組み」や「大地震で壊れない倉庫」など、防災、環境、人などに重点を置いた『未来のまち』について説明し、レーク事務局長は熱心に質問していました。
2015年3月には、仙台市で国連防災世界会議が開かれます。レーク事務局長は「すばらしいまちの将来像。ぜひ、会議に世界の人が訪問した時に見せられたらいいですね」と6年生に話しました。

両校にはアグネス・チャン日本ユニセフ協会大使が同行し、生徒と一緒に歌を歌って交流を深めました。学校訪問後、事務局長は仙台市の奥山恵美子市長を表敬訪問しました。

日本の支援、世界の子どもの生活大きく変えている

© UNICEF Tokyo/2014/Ayano Sato
都内で開かれたユニセフ議員連盟で黒柳徹子ユニセフ親善大使の活動30周年を称えるレーク事務局長。

宮城県への訪問を前に、レーク事務局長は24、25日、安倍晋三首相、岸田文雄外相、古屋圭司内閣府特命担当大臣(防災)など政府要人と会談し、ユニセフと日本のパートナーシップを今後も強化していくことなどについて話しました。また、皇太子殿下にも謁見しました。24日にはユニセフ議員連盟の総会に出席し、今年、ユニセフ親善大使としての活動30年を迎える黒柳徹子さんの長年の功績を称え、感謝の意を表しました。そして、ユニセフ議員連盟、日本政府、ユニセフ協会、日本の人たちに対しても「皆様のご支援は、世界中の子ども達の生活を大きく変えています。日本の皆様のご支援なしにはユニセフのどの活動もなし得なかったことです」とあらためて感謝の言葉を述べました。事務局長が来日するのは就任以来、今回が4回目で、今後も日本との協力関係を一層強めていきたいと考えています。

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3年レポート発表

「あの日」から3年−。日本ユニセフ協会が、ユニセフ本部の全面的なサポートと多くの皆さまのご協力を得て、震災直後から開始した支援活動。ユニセフが数十年にわたって蓄積してきた知見を最大限に用い、「緊急支援物資の提供」「保健・栄養」「教育」「心理社会的ケア(心のケア)」「子どもの保護」「子どもにやさしい復興計画」の6つの分野での活動を続けてきました。3年目の活動をまとめた報告書、日本ユニセフ協会 東日本大震災緊急・復興支援活動3年レポートを発表いたしました。

また今月27日には、ユニセフハウス(東京・品川)にて、シンポジウム『未来をつくる私がおとなに伝えたいこと〜子どもと築く復興まちづくり』を開催いたします。本シンポジウムでは、子どもたち自身が、震災の教訓や地域の復興や防災について学び、考え、地域社会に提案している姿を、ユニセフが提唱する"子ども参画"の具体例の一つとして紹介。東北の被災地のみならず、世界の復興と防災の在り方を、みなさまと考えてまいります。

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