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財団法人日本ユニセフ協会




ミャンマー サイクロン被害第11報
  子どもたちへの被害が最大の懸念
 

【2008年5月19日 ニューヨーク発】

サイクロンにより、子どもたちへの被害が最も憂慮されている。
© UNICEF Myanmar/200
サイクロンにより、子どもたちへの被害が最も憂慮されている。

国連のパン・ジムン国連事務総長は、大規模なサイクロンに襲われたミャンマーの被災地を今週視察する予定です。昨日から3日間の日程で、ジョン・ホームズ国連事務次長は、先に被災地を訪れています。

今回の視察は、被災地の子どもたちへの被害を憂慮したものです。国連は、このサイクロンで、250万人の人々が、深刻な影響を受けており、そのうちのおよそ40%が子どもたちであると推定しています。最も弱い立場の多くの子どもたちが、厳しい状況を強いられていると懸念されています。

支援物資は、被災者の元へ到着しており、特に食べ物の配給は、ここ数日の間にかなり改善されました。しかし、十分な量には程遠く、まだまだ支援が必要です。

ユニセフは、パートナーと協力して、さらなる被害を防ぐために、早急に支援が必要な子どもたちと家族への財政援助と、救援スタッフを含めた援助活動の拡大に努めています。

求められる避難所

マーさん(仮名)は、サイクロンで夫と娘を亡くしました
© UNICEF video
マーさん(仮名)は、サイクロンで夫と娘を亡くしました。

マー・ススさん(仮名)は、サイクロンに襲われ、避難所で生活している50万人のうちのひとりです。彼女は三歳になる娘の将来を考えることができません。

サイクロン「ナルギス」が、ミャンマーのイワジデルタ地帯を中心に、甚大な被害をもたらしてから、およそ二週間。マーさんを含めた3000人の生存者は、仏塔に避難しました。

サイクロンに襲われた日は、マーさんの末娘の1歳の誕生日でした。マーさんは末娘と夫をこのサイクロンで亡くし、末娘の誕生日は、忘れられない悲しい日となりました。

「私たちの家は、洪水ですぐに倒壊し、押し流されました。私たちは、高台へ避難しようとしましたが、倒壊した家屋や倒木の破片に襲われ、私は、二人の娘を抱えて、洪水に飲み込まれてしまいました。水の中で、末娘は私の腕から離れてしまい、夫が、娘を助けようと彼女の後を追っていきました。でもそれっきり二人とも戻ってきませんでした」。

仏塔は、サイクロンが起こった夜、貴重な避難所のひとつでした。いまでも、避難所として使用され続けています。

不足する緊急支援物資

ヤンゴンに到着したユニセフの支援物資。
© UNICEF/2008
ヤンゴンに到着したユニセフの支援物資。

地元当局は、食糧を配給していますが、被災した人々は、ずっと必須援助物資が足りない状態であると言います。ユニセフは、他の人道支援団体と協力して、水浄化用資材、下痢による脱水症を緩和する経口補水塩、応急処置キット、必須薬品、シェルター用防水シート、その他基礎生活必需品などの物資を含めた支援物資を、サイクロン被災地へ急送しています。

サイクロン被害から1週間で、1万7000人が避難所を求めているピャポンには、45の避難所ができました。当局は、僧院に避難している人々に、政府の避難所へ移動するよう求めています。

しかし、他の被災した女性たちと仲良くなったマーさんは、避難所の移動には、あまり気が進みません。

「ここにいる被災者たちは、食べ物や飲み水を探して、もがき苦しんでいます。私たちは、大変苦しい状態です。愛する人々を失い、持っている物も全てなくしました。いま私には、娘だけが残っています。人々は、この災害で生き残ってあなたは幸運だと言いますが、いまは、とてもそうは思えません」。