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財団法人日本ユニセフ協会




スーダン・ダルフール緊急支援情報
増える避難民、悪化する治安

【2006年10月 ジュネーブ発】

5月にスーダン政府と対立する武装グループの一派との間で和平合意が成立したものの、政府と和平合意に調印しなかった他の武装グループとの間では、依然として激しい戦闘が続き、その結果多くの一般市民が命を落としています。

スーダン政府は、和平合意にもかかわらず、軍事力を行使することで長引く内戦を終わらせるという姿勢を崩しておらず、ダルフール北部の軍備を増強し、対立する武装グループとの間で激しい戦闘を繰り返しています。

軍事活動はダルフール地方全域で激しさを増しています。政府も武装グループも軍事力を強化しており、町には昼夜を問わず、武装車両が行き交います。空爆のせいで、子どもを含む多くの村人が命を落とし、生き残った人たちも家畜や家を失っています。また、ある地域では、支援物資を運ぶトラックが襲われるなど、治安の悪化は支援活動を難航させています。

© UNICEF/2006/Shehzad Noorani
内戦を逃れ新たに避難民キャンプに到着した子どもたち。ダルフール、オタシュ避難民キャンプにて。

戦闘の激化に伴い、キャンプには新たな避難民が到着しています。ここ数週間で、ダルフール南部のバラムから1万人以上が、オタシュ避難民キャンプに避難してきました。ユニセフは水の輸送や衛生設備の設置、避難してきた子どもの栄養状態調査、及び親と離れ離れになってしまった子どもたちの支援をしています。ダルフールの現状は厳しく、ユニセフやパートナー組織の早急な対応が求められています。


難航する支援活動

過去2年間のダルフールへの緊急人道支援活動にもかかわらず、ダルフールの子どもや女性が置かれている状況は厳しいままです。400万人近くの人が影響を受け、そのうち180万人は子どもです。また、家を失った200万人のうち、半数が子どもであると推計されています。

現地では、人道支援の必要性がますます高まっていますが、この地域の治安をどのように改善・維持していくかいうことについて、国連とスーダン政府との間で合意することができておらず、多くの一般市民が犠牲になっています。また、紛争の激化による治安の悪化のため、多くの支援団体は撤退を余儀なくされ、これらの団体の支援だけに頼って生活している避難民などに多大な影響を与えています。

ユニセフの支援活動

現在の情勢がどのように進展するにせよ、ユニセフは子どもや女性の生存と生活、基本的人権が守られるよう様々な分野で大規模な支援活動を続けています。支援によって多くの成果がえられている一方で、このまま政局や治安が不安定な状態が長引けば、さらなる改善は難しくなります。

主要な活動と達成事項

保健:はしかとポリオの大規模な予防接種プログラムを支援し、2006年は現在までにポリオについては5歳未満の子ども130万人が、はしかについては9ヶ月から15歳までの子ども170万人が予防接種を受けました。また、支援実施可能な保健施設の80%に助産・出産キットを提供し、保健員の育成を支援し、妊娠・出産にかかわる保健サービスの改善をすすめました。HIV/エイズ対策として、自発的なカウンセリングや検査を受けることのできる施設を3ヶ所開設しました。

栄養:各種キャンペーンを通して、ビタミンAやヨードなどの微量栄養素を摂取することの重要性を伝えました。また毎月、栄養強化ミルクや薬などを5歳未満の深刻な栄養不良の状態にある子ども1,000人に、薬や必要な物資を中程度の栄養不良状態にある子ども4,500人に提供しました。栄養状態の定期的な調査及び分析への支援も行っています。

水と衛生:955ヶ所の給水設備の修復・管理を支援し、70万人の避難民に水を届けました。また、これまでに給水設備の行き渡っていなかった地域に住む、計16万6,000人のために、新たに269箇所の給水設備を設置しました。既存の給水設備を地域の人々で管理できるように、管理運営スキルについての研修を2006年は8,350人対して行いました。また、正しい衛生習慣の普及を促進するために、6万6,000戸への定期的な訪問、23ヶ所で公衆衛生キャンペーンを支援し、2,000人の衛生習慣推進員を育成しました。これにより、50万人に公衆衛生に関しての情報を提供できました。

© UNICEF/Sudan-Darfur/Shehzad Noorani/2006
ユニセフの支援を受けて、夏休み中、「子どもにやさしい空間」として使用される学校。女の子達が歌を歌ったり、踊ったりしている。ここでは、教師などの大人の指導者のもとに、子どもたち同士が安全に遊ぶことができる。スーダン・ダルフール地方のオタシュ避難民キャンプにて。

子どもの保護:アフリカ連合など現場関係者とともに子どもの権利についての認識を高め、計2,200人の支援関係者に性的暴力の被害者に対する精神的支援の方法についての研修を実施しました。また、400ヶ所以上の「子どもにやさしい空間」を支援し、15万人の子どもが利益をうけました。学校では6万7,000人の子ども達に心理社会的ケアを提供し、教師に研修を施すことで、教育現場での心理社会的ケア導入を促進しました。燃料を節約したストーブの使用方法を85,500世帯に研修し、識字教育や職業訓練も実施されました。避難民キャンプ内には、若者で構成される委員会/クラブを37設置し、計700人の若者が参加しています。ユニセフは兵士として登用されていた500人の子ども達の開放も支援し、開放された子どもの半数が学校に通い始めました。

教育:教室や校舎の修復及び再建を支援し、2006年には、新たに750の教室が使用できるようになり、12万5,000人以上の子どもが利益をうけました。また、24万7,000人に必要な学用品や学習教材を届けたほか、2万5,000人近くの女の子に制服を提供しました。また、教員2,000人に対して子どもを中心においた授業法の研修を行いました。13万4,000人の遊牧民の子ども達のために移動式教室などを支援しました。

ダルフールの支援に必要とされている金額は、7,383万8,572米ドル(約87億円)ですが、現在、約2,000万米ドル(約23億6,000万円)が不足している状態です。また、更なる状況の悪化に伴って発生すると考えられる緊急事態や新たに発生する避難民への対応のために必要な資金として、さらに約1,370万米ドル(約16億円)が必要であると推計されています。

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◇ 募金のお願い ◇

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