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財団法人日本ユニセフ協会




 

スマトラ沖地震・津波情報

トラウマ克服の切り札:タイで小学校が再開
(第11報)

【タイ・パンガー発、2005年1月4日】

タイ南西部の海岸地帯一帯を津波が襲ってから1週間。津波の被害に遭った6県全ての小学校は新学期を迎えた。

ユニセフ・タイ代表イネス・ザリティスは「津波の被害にも関わらず予定通り学校を再開させたタイ政府の並々ならぬ努力に敬服します。子どもの多くは津波によってトラウマの被害を受けています。学校は、子ども達がトラウマを克服するための第一歩を踏み出すのに最も適した場所のひとつなのです」と述べました。

津波に襲われた直後から、地元政府機関や親御さんたち、軍隊、そしてボランティアの方々が、休む暇も無く破壊された小学校の修理・再建に取り組んできました。建物が壊滅状態にあった場所では、テントや校庭がにわか作りの教室として整備されました。

「学校に戻る事によって、子ども達は、安全で勝手知った環境の中で、日常と平常の感覚を取り戻すことができるのです」ザリティスは加えます。

現在各地で被害状況などを調査しているユニセフのスタッフは、特に津波被害が深刻だった地域では、多くの子ども達は、残念な事に、未だに親元を離れて学校に戻ることができない精神状態にあると報告しています。非常に多くの子どもがトラウマに苦しんでいます。家族から離れ離れになったり、家族や兄弟姉妹を失ったり、悲惨な状況を目の当たりにしたり。子ども達は、あまりにも大きく重いものを背負ってしまいました。

ユニセフは、タイ政府や地方自治体と協力し、全ての子どもにトラウマを克服させるための支援を続ける事、そして学校がその柱になると言っています。

ユニセフは、長期的な心理的ケアプログラムの最初のステップとして、カウンセリングやレクリエーション(遊び)を通じて子どもの心理的ニーズに応える為、特別な訓練を受けた小児科医や精神科医、看護婦を被災各地に派遣しています。また、教員やソーシャル・ワーカーにトラウマを持った子どもに対応するためのマニュアルを提供するとともに、小学校には、文房具・教材の他、スポーツ・レクリエーション用品も提供しています。今週末までには、被災6県から、小学校教員に対し、津波による心理的被害に苦しむ子ども達を支援する方法・技法についてのトレーニングを実施する予定です。

 

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