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財団法人日本ユニセフ協会




 

スマトラ沖地震に関する最新状況報告

(第18報)

【インドネシア発、2005年3月29日】
3月28日現地時間11時09分、マグニチュード8.7の地震がスマトラを襲いました。地震はインド洋のニアス島とシムルエ島の沖合いで発生。遠くジャカルタとバンコクでも揺れが感じられました。インド洋湾岸に津波警戒情報が出されたため、スマトラ島のバンダ・アチェと西海岸沿いの町や村々では、人々が大きなパニックに陥りました。ニアス島では人々が高台に逃れています。

被害者の数は100から2,000とまちまちな数値が出されています。負傷者や行方不明者の数はまだ不明です。メダンにある州政府の役人は、死者が1,000人を超えるだろうと推定しています。

地震の被害は主にニアス島とシムルエ島に集中し、スマトラ島での被害はあまり報告されていません。ニアスの主要都市グヌンシトリで行われたユニセフの緊急評価では家屋全壊が10%、コンクリートとレンガ作りの建物を中心に20%程度の建物が大きな被害を被っています。インドネシア政府が実施した今朝の飛行機による調査では、被害はさらに大きいとのことです。

今回の地震により、2つの島での通信・交通網は大きな被害を受け、電話回線は寸断され、グヌンシトリにある飛行場は固定翼航空機が離着陸できない状態(ヘリコプターと小型機のみが使用可能)、飛行場から町への道路も寸断されています。グヌンシトリにある港は被害を受けていません。

メダン(北スマトラの州都)とムラボ(スマトラ北部の西海岸の町)との間の道路も寸断されていますが、インドネシア軍が48時間以内の復旧を目指しています。

ユニセフの対応

緊急支援担当のエドワール・ベグベデは、本日午後、グヌンシトリの緊急評価を行い、緊急医療品、ビニール・シート、調理器具、食料、水、水を入れる容器などが必要だと報告しています。ジャカルタとバンダ・アチェで、ユニセフのロジスティクス(物流)担当官たちが、すでにこれらの緊急支援物資の備蓄が手元にあることを確認しています。これらの物資は、道路が開通次第、スマトラ島のシボルガの港(ニアス島の真反対に位置する港)から送り出される予定です。

ユニセフの浄水装置2台が、すでにバンダ・アチェから運び出され、シボルガに向かっており、5日以内にフェリーを使って運ばれる予定です。

水と衛生担当のユニセフ・スタッフも、緊急評価を行うために明日、ニアス島に向かいます。

UNHAS(国連人道航空サービス)はシボルガに基地を設け、明日からは2機のMI8ヘリコプターが、バンダ・アチェとニアスの間のピストン輸送にあたることになっています。

ユニセフの緊急支援担当のスティーブ・アスウィンは、国連チームとして、ニアスとシミルエに支援物資を送り込むロジスティクスを確立するため、北スマトラ州政府と話し合いを続けています。

リザル・ヌルディン北スマトラ知事は、国際機関に対して、医療機器、医薬品、医者と看護師が至急に必要だと話しています。シンガポール政府に対しては、現地の病院での支援を要請し、アチェでの任務を終え、本国スペインに向かっていた医療船の現地への派遣を再要請しています。

 

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