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財団法人日本ユニセフ協会
 



シリア緊急募金 第46報
最も支援が届きにくい場所へ

【2013年5月17日 ニューヨーク/ジュネーブ/アンマン発】

© UNICEF/ UKLA2013-00034/ Lane

激しい戦闘が続くシリアで、先週、ユニセフは、パートナー団体と共に、アレッポやホウラをはじめとする現在シリア国内で最も支援が届き難い地域と、最近戦闘が勃発したバーニヤースやアル=バイダーから避難を余儀なくされた子どもと女性たちに、緊急支援物資を届けました。

今月起こった武力紛争で多くの死者が出たと伝えられているアル=バイダーやバーニヤース近隣の村を逃れた約6,000人の女性と子どもたちは、現在、タルツス郊外のザマリンや周辺の地域の一般家庭や建設中の建物、そして学校の校舎などでの不自由な避難生活を強いられています。

ユニセフとパートナー団体は、こうした方々に、衣類や衛生用品といった支援物資を提供しました。

ユニセフは、また、パートナー団体と共に、トラック6台分の支援物資をアレッポに輸送。衛生キットや高カロリービスケット、経口補水塩(ORS)、未熟児用保育器2台、浄水剤、衣類を届けました。

アレッポ市内や周辺地域で続く激しい武力衝突から、これまでに400万人の方々が家を追われるなど、大きな影響を受けています。その半数は子どもたちです。歴史ある都市として有名なアレッポ。しかし、古代都市の面影を残していた建物の多くは、瓦礫と化しました。

© UNICEF/NYHQ2013-0211/Abdulmunem

2012年5月、わずか1日の間に子ども数十人を含む約100人が虐殺されるという事態が起こったホムス近郊のホウラでも、緊急支援活動を行いました。

戦闘のため数ヵ月の間、外界からほぼ孤立状態に置かれていたホウラには、数百セットの衛生キットや、子どもたちの栄養不良に対応するための物資を含む支援物資が運ばれました。

また、シリア国内全域を対象に、発電機の設置も進めています。その一つのホムスに設置された発電機は、安全な飲料水を約30万の人々に届けるために活用される予定です。

シリア国内の治安状況は、悪化するばかりです。しかし、ユニセフやパートナー団体は、これまで、どうにか人道支援活動の規模を拡大してきました。今年に入ってからシリア国内で予防接種を受けたこどもたちは、すでに100万人近くにのぼり、約740万の人々が、安全な飲料水を手に入れられるようになりました。また、10万人近くの子どもたちが、学校クラブに通いはじめています。

しかし、支援を必要とする状況は、世界各国からお寄せ戴いている資金をはるかに凌ぐペースで拡大し続けています。シリア危機の勃発から既に2年が経ちました。これまでに、この紛争で命を落とした方は、約8万人。約425万人が、シリア国内各所で不自由な避難生活を強いられ、150万を超える人々が、近隣諸国への避難を余儀なくされています。

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