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財団法人日本ユニセフ協会
 



シリア緊急募金第92報
紛争に巻き込まれ、右足を失った6歳のサファ
障がいとともに生きる女の子を支え、前を向く家族

【2014年1月8日 ヨルダン発】

両親、祖母、そして5人の姉妹と一緒にヨルダンに避難するサファちゃん(6歳)

シリア北部の都市アレッポにある家が破壊され、6歳のサファちゃんは両親、祖母、そして5人の姉妹と共にシリア南部のダマスカス郊外県に避難し、廃家に身を寄せていました。そのとき、一家は紛争下の暴力に巻き込まれ、サファちゃんはやけどや傷、そして、右足を失う重傷を負いました。

サファちゃんは現在、家族と共にヨルダン北部のザータリ難民キャンプに身を寄せています。サファちゃんは毎朝ユニセフが支援する学校に登校し、午後には“子どもに優しい空間”に通っています。紛争前の生活が戻ってくることはもうありません。しかしサファちゃん一家は日常を取り戻すために前を向き、歩き始めています。

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サファちゃんの一日

サファちゃんの父親アハメドさんは毎朝、学校に通う娘たちを送り届けます。8時に開始される授業に間に合うように、7時半には避難所のトレーラーハウスを出発します。ユニセフとともに支援を行うパートナー団体から提供された車いすで登校するサファちゃんとアハメドさん、9歳のアヤちゃん。アハメドさんと妻のファティマさんは、子どもたちの教育を最優先に考えていると語ります。
1年生の授業で使う教科書を手にしています。
1年生担任のアビール先生に教えてもらいながら、文字や数字を書く練習をしています。
学校から帰宅すると、サファちゃんはユニセフとともに支援をおこなうパートナー団体の理学療法士と一緒に新しい松葉杖を使って歩く練習をします。理学療法士がサファちゃんを定期的に訪問して支援を行っています。まだ幼いサファちゃんですが、トレーラーハウスの中を松葉杖で自由に歩き回れるようになりました。義足もすぐに届く予定です。
ユニセフとパートナー団体の“子どもに優しい空間”に行くため、サファちゃんを抱っこする父親のアハメドさん。アハメドさんは妻と年老いた母親、当時まだ10歳にも満たなかった6人の娘たちと一緒にシリアから避難してきました。「娘たちのことが大好きです。私は紛争下で対立しあうどちらの勢力側にも立ちません。娘たちが何をしたというのでしょうか。子どもたちに罪はありません。どうしてこんなことが起こってしまったのでしょうか」とアハメドさんは嘆きます。
“子どもに優しい空間”に参加。その後は姉妹と一緒に家に帰ります。
ザータリ難民キャンプのトレーラーハウス内で。みんな一緒に1部屋で寝食を共にしています。(左から)モナちゃん(4歳)、父親のアハメドさん、双子のサファちゃんとマルワちゃん(6歳)、ワーデちゃん(10歳)、アヤちゃん(9歳)、祖母のワーデさん、イスラちゃん(1歳)、母親のファティマさん。

写真はすべて ©UNICEF/Jordan-2013/Shehzad Noorani

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