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財団法人日本ユニセフ協会
 



シリア緊急募金 第95報
「避難できたが行くところがない…」
1年半ぶりにホムス旧市街から脱出した家族が直面する新たな試練

【2014年2月22日 シリア・ホムス発】

© UNICEF/Syria2014/Razan Rashidi
アヒダさんの娘アヤちゃん5歳。2月7日にホムス旧市街から避難しました。今、家族はどこにも行く場所がありません。アヤちゃんはユニセフが支援するシリア赤新月社のレクレーション活動に参加し、他の子どもたちと遊んだり、お絵かきをしています。

「これからどこに行ったらいいのでしょう」アル・アンダス国内避難民施設に身を寄せている6人の子どもの母親、アヒダさんが語ります。夫や16歳の息子はホムス旧市街から出るための取り調べを受けていました。昨晩夫と息子は拘束を解かれ、避難許可が下りましたが、一家はしばらく施設に身を寄せることを決めました。「ホムス旧市街を出る前から、どこにも避難する場所がないことはわかっていました。でも、食べるものも十分にない生活にはもう耐えられず、避難せざるをえませんでした」

1年半にわたる「包囲」から1366人が避難

2週間前に行われた国連などによるホムス旧市街からの避難計画で、アヒダさんは夫と4人の子どもたちと一緒に自宅を後にしました。1週間にわたる避難計画で322人の子どもたち(乳幼児36人)を含む1,366人が旧市街から避難しました。避難した人たちからはトラウマや病気、栄養不良の兆候が見られ、入院が必要な人もいました。多くの人が長期的な心のケアを必要としています。

「長い間、支援を待ち望んでいました。私たちが飢えで命を失っていくのを、世界が見て見ぬふりするはずがない、もうすぐ助けが来るという噂が広まっていました」と提供されたマットでスヤスヤ眠る息子に添い寝をしながら、アヒダさんが話してくれました。アヒダさんは読み書きができません。

ホムス旧市街地は政府軍に包囲され、1年半以上、物資や医療用品、エネルギーの供給が届かない状態でした。依然として激しい軍事行動が続いています。ユニセフは他の国連機関などと共に、ホムス旧市街が包囲された結果、取り残された住民に対する人道支援活動の許可を求めてきました。

「人道支援を実施するため、2012年6月から旧市街地への立ち入りを求める交渉を続けてきましたが、身を結びませんでした。包囲が続き、旧市街の住民が置かれている状況は悪化を続けました」と、ユニセフ・シリア事務所代表のアブデル ・ジェリルが語ります。

主食は雑草、行方の知れない家族—過酷な生活

© UNICEF/Syria2014/Razan Rashidi
アヒダさんの息子フセインくん3歳。ユニセフは子どもたちに防寒具やレクレーション・キットの配布も行っています。

住民は過酷な環境下での生活を強いられていました。そして生き延びるために苦渋の選択をし、知恵を絞りながら生活してきました。

「雑草を主に食べていました。近所の人たちも同じような食事をしていました。香草をゆでて、子どもたちのためにスープを作りました。食べられるものはわずかしかありませんでしたが、子どもたちだけでも食べてほしいと思い、自分たちは後回しにしていました」と、アヒダさんが語ります。

アヒダさんには、結婚して家を出た娘が2人います。しかし、2年も会えていません。娘たちが現在どのような生活を送っているかさえわからないのです。20歳の娘とは連絡も取れません。「娘の夫が、ダマスカス郊外のどこかに娘を連れて行きました。昨年家が攻撃されたとき、すべて燃えてなくなってしまいました。電話もなくなり、連絡が取れません。毎晩、娘たちの無事を祈っています」と続けました。

結婚したもうひとりの娘は、まだ17歳です。「ホムス旧市街の状況が悪化していたときに遠い親せきから結婚の申し入れがありました。娘はまだ15歳でしたが、結婚に賛成しました。どこか安全な場所で暮らしてほしかったのです」と言います。「今は、ダマスカスのどこかで義理の両親と生活しています。電話で話すことができた時、娘が新しい命を授かったと聞きました。妊娠5カ月だそうです」アヒダさんから笑顔がこぼれました。

家族と再会したい

© UNICEF/Syria2014/Razan Rashidi
フセインくんにユニセフが提供した新しい靴を履かせるアヒダさん。ユニセフは防寒具の支援も行っています。

長期化する紛争で、シリアや周辺の地域で家族が離れ離れになって生活をしています。アル・アンダスの施設に身を寄せる多くの男性は、家族が近隣の国やシリアの人里離れた地域に避難しています。どうしたら家族と再会できるのか。それだけが彼らの気がかりです。一方、依然としてホムス旧市街には、約2,600人が取り残されていると推測されています。避難計画の一環として、国連は旧市街内に支援物資の一部を届けることができました。

「攻撃はまだ続いていますが、人道支援車両が食糧や医療用品などの支援物資をホムス旧市街に届けることができました」(ユニセフ・シリア事務所代表のアブデル ・ジェリル)

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シリアの紛争下にある子どもたちを「失われた世代(ロスト・ジェネレーション)」にしないためにオンラインでの署名キャンペーンを開始しました。内戦4年目となる3月15日までに世界中から最低でも100万の署名を集めることを目指し、一般の方の参加を呼びかけています。

■シリア「失われた世代にしないためのキャンペーン」署名サイトと参加方法
オンラインでの署名キャンペーン(※change.orgで展開/英語)
参加方法: 上記のページで、右側の署名コーナー「Sign this petition」にて、姓名(名前、苗字)、Emailアドレスを入力し、Agreeをクリックしてください。

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