世界のニュース(2)

安価なエイズ治療薬に道

ユニセフは、以前からアフリカなどのHIV/エイズ対策に力を入れているクリントン財団や、世界基金(エイズ予防世界基金)、世界銀行と協力して、開発途上国(かいはつとじょうこく)の国ぐにが、安いお金で高品質(こうひんしつ)のエイズ治療薬(ちりょうやく)を手にいれられるようにする取り組みをはじめることになったと伝えました。これが実現すると、これまで貧しくて薬を買えなかった開発途上国の人びとも、今の値段の半分以下で薬を手に入れることができるようになります。

開発途上国では、爆発的なHIV/エイズの広まりが大きな問題になっており、エイズのために親を失った子どもや、HIVに感染してしまう若者も急激に増えています。HIVに感染しても、エイズの発病をおさえる薬を飲みつづければ、発病までの時間をかなりのばすことができます。しかし、この薬は高額で、開発途上国ではほとんどの患者が手に入れることができません。そのために、開発途上国では、先進工業国(せんしんこうぎょうこく)に比べ、HIVに感染すると非常に短期間のうちにエイズを発病してしまい、また、発病した後も治療の薬を買えずに、ひどい苦しみの中、早くに亡くなってしまうのです。子どもたちにとっては、1日でも長く親が元気でいてくれることが大切です。薬が手に入れば、その時間は確実にのびるのです。

ユニセフとこの取り組みをおこなうことになった世界基金と世界銀行は、エイズ治療ために多くの支援をしている機関です。そして、ユニセフは、開発途上国の国ぐにに対し エイズの発病をおさえる薬を提供したりHIV/エイズ検査を広めたりするために、2003年には111万ドルを使いました。

ユニセフ事務局長のキャロル・ベラミーさんは、つぎのように話しています。「この新しい協力は、これまで開発途上国でエイズの治療をむずかしくしてきた多くの問題を解決するでしょう。そして、ユニセフは、世界中の子どもたちや家族に希望をもたらす活動の先頭にたつ一員としてこの活動に参加することをとても誇りに思っています」

カウンセリングを受けるお母さんと娘。41歳のお母さんはすでにエイズを発病していて、はたらくことができません。となりで13歳の娘がメモをとっています。この女の子は、学校の費用が払えないために、学校には通っていません。薬が安くなれば、エイズに苦しむたくさんの家族を救うことができるかもしれません。

もっとHIV/エイズについてくわしく知りたい人は、ユニセフ子どもネットニュース(No.2)を読んでください。

英語ですが、ユニセフ本部のホームページには、若者向けにいろんなことを学んだり、意見交換をできるサイト“Voices of Youth”(英語)があります。このサイト内には、HIV/エイズについても、たくさんのニュースやお話が紹介されています。読んで見たい人は、ここをクリックしてくださいね。