子どもの兵士のお話

世界のいろいろな国で紛争がおき、多くの子どもたちがぎせいになっています。なかには、武器を持って戦ったり、軍隊の荷物運びをしている子どもの兵士もいます。最近は小さくて軽い武器がたくさんあるので、子どもでも簡単に銃を使うことができます。ここでは元子ども兵士のお話をしましょう。

◆リベリア:ジュニア・シャグベーの場合

15歳のジュニア・シャグベーは9歳の時、兵士に目の前で父親を殺され、その後無理やり連れさられました。2カ月後、監視の目を盗んで部隊をぬけだしましたが、母親は子どもを心配するあまり病気になって死んでしまいました。そして、ジュニアは敵対する勢力の兵士になりました。

◆アンゴラ:フレデリコの場合

フレデリコは頭がよく、科学が得意だったので医者になる夢を持っていました。でもある日、反乱軍の兵士に誘拐されて、9年間も子どもの兵士としてアンゴラの内戦で戦いました。

子どもの兵士の多くは、貧しい家に生まれたり、住む家をうしなって難民になったり、学校をやめてしまった子どもたちです。ほかにも「殺す」とおどかされたりして、兵士になることもあります。

ユニセフは18歳に満たない子どもを兵士にすることをやめるようにうったえています。そして、元子どもの兵士が社会に復帰できるように支援をしています。たとえば、読み書きや算数を教えたり、家具作りや自動車修理などの仕事を持てるように訓練をしています。

しかし、元子ども兵士たちが普通の生活に戻るのは大変です。何人もの人が殺されるの見たり、軍隊から暴力を受けたりした子どもたちは、紛争が終わっても、つらい経験を忘れることができません。

12歳で兵士になったヴィナスは言います。「ジャングルの中で、敵の声だけが聞こえて、姿が見えないときの恐怖。あの恐ろしさがまだ夢の中で襲ってくるんだ…」。ユニセフは紛争で傷ついた子どもたちの心をいやすためにカウンセリングもしています。

世界には約30万人以上の子どもの兵士がいるといわれています。子どもの兵士がいなくなるためには、国や社会の協力が必要です。ユニセフは子どもを戦争に巻き込まないように、政府や軍隊にはたらきかけています。