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国内のニュース

旅行先での子ども買春、搾取をやめさせよう!
〜旅行・観光における行動倫理規範(コード・プロジェクト)発足!〜

旅行者が海外で子どもを買う…。みなさんのなかにも日本人旅行者が逮捕されたニュースを知っている人もいるかもしれません。現在、世界には年間120万人の子どもたちが人身売買の被害にあっていると推定されていますが、その多くが世界各地の観光地で、旅行者・観光客相手の売春行為をさせられています。

ユニセフや、(財)日本ユニセフ協会や国際ECPATをはじめとする国際機関やNGOは、日本をはじめとする国ぐにに働きかけ、法律の整備や関係国のあいだで提携をもつことをよびかけてきました。日本でも1999年に法律が成立して、国外犯もふくめて子ども買春をとりしまる法律の整備がすすめられています。ただ、法律を整備するだけでは足りません。そこで立ち上げられたのが、国際機関とNGO、世界観光機関などのパートナーと進められているプロジェクトのひとつに「旅行・観光における行動倫理規範(コード・プロジェクト)」です。このプロジェクトは1998年4月にECPATスウェーデンとスカンジナビアの旅行業界が、世界観光機関(WTO)と共同ではじめたプロジェクトで、2005年2月現在、世界17カ国で58の旅行・観光業者・団体が参加しています。

それでは「旅行・観光における行動倫理規範(こうどうりんりきはん)」とは、どんな内容になっているのでしょうか。
旅行・観光における行動倫理規範に同意した団体や企業は、つぎの6つの項目を行わなくてはなりません。

  1. 子どもの商業的性的搾取※に反対する企業のルールやこれからの方針をきめなければならない
  2. 旅行の出発地、目的地の従業員にたいして必要な教育・訓練を行う
  3. ツアーオペレーター会社などとむすぶ契約のなかに、子どもの性的搾取を拒否することを記した項目を入れる
  4. カタログ、パンフレット、飛行機の機内映像、飛行機のチケット、ホームページなどをつうじて、旅行者に情報を提供する
  5. 旅行の目的地の現地有力者(観光団体のリーダーなど)に関連した情報を提供する
  6. プロジェクトの実行状況に関する年次報告書を、コードプロジェクト運営事務局に提出する

※「児童の商業的性的搾取(しょうぎょうてきせいてきさくしゅ)に反対する世界会議」の「宣言」では「児童の商業的性的搾取とは大人による性的虐待及び児童あるいは、第三者に対する現金又は現物による報酬を伴うもの」とされています。つまりお金を目的に子どもたちを商売の道具にすることです。主なものとしては、児童買春、児童ポルノ、このような商業的性的搾取を目的とした、児童の売買・密輸があります。

日本でもこのプロジェクトを発足させようと、国際機関やNGOが旅行業界にたずさわる企業・団体へはたらきかけをおこなってきました。そしてとうとう2005年3月14日、ユニセフハウスにて、この旅行・観光における行動倫理規範(コード・プロジェクト)発足式を行いました。60の企業が参加し、代表の方々が規範文書にサインをしました。

早くプロジェクトが進み、日本のひとたちにも「世界の子どもをまもろう」という意識が高まるように、日本ユニセフ協会も活動を続けています。

※写真は国際ECPAT資料より
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