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世界の子ども物語
私は透明人間?出生登録(しゅっしょうとうろく)のお話

 みなさんはこの世界に透明人間(とうめいにんげん)がいると言われたら、信じられますか?

 「名前はラファエル、苗字(みょうじ)はロドリゲズだよ、おかあさんと妹と同じようにね」ととまどいながら話すのは10歳の少年です。

 ドミニカ共和国のラファエル君は以前はまるで透明人間のようにあつかわれてきました。

もちろんラファエル君の姿が見えないわけではありません。しかしラファエル君は出生登録証を持っていないのです。「子どもの権利条約」では「子どもは生まれたらすぐに登録されなければなりません。子どもは名前や国籍(こくせき)をもつ権利を持っています」と定められています。しかし出生登録をしていないと、正式に国籍も名前ももつことができません。病院やもちろん学校にもいくことができないのです。

 出生登録されていない子どもたちはほかにもたくさんいます。ユニセフではこのような子どもたちの権利を保護するために支援活動をおこない、「名前と国籍をもつ権利」出生登録キャンペーンなどもおこなってきました。さいわいにも、ドミニカ共和国では出生登録されていない子どもでも学校に登録することが認められるようになったので、ラファエル君も学校に行くことができるようになりました。以前は国から存在を認められていない「透明人間」だった子どもたちが、生身(なまみ)の人間として、権利を与えられたのです。

※スマトラ沖地震で被害を受けた地域でも、出生届がない子どもたちがいます。そういった子どもたちでも学校にいけるようユニセフでは支援をおこなっています。子どもたちにとって学校はとても大切な場所なんですね。

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