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No.19
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国内のニュース(4)

映画「イノセントボイス〜12歳の戦争〜」
ネットワーカーが試写会に行ってきました

−知っていますか?
現在、世界で30万人以上の子どもが、“兵士”として戦場へ送られていることを。

1980年、政府軍と反政府ゲリラとの激しい内戦下にあった、中米の国エルサルバドル。政府軍は、突然村にあらわれては、12歳になる少年たちを兵士として連れさっていく…。
オスカー・トレスさんが少年時代に体験した話にもとづいてつくられた映画です。

1月11日に、東京の科学技術館で特別試写会が行われました。ネットワーカー22名が参加しました。

この映画は、シネスイッチ銀座ほか全国各地の映画館で上映されます。上映される映画館の情報や、映画についてもっと知りたい人は、「イノセント・ボイス」のホームページをごらんください。http://www.innocent-voice.com/

当日参加してくれたメンバーに、つぎの3つのことを聞いてみました。もし、みなさんのなかにも映画をみたよ!という人がいたら、いっしょに考えてみましょう。


◆ みんなが子ども兵士について知っていることってなんだろう?

たくさんの子どもが強制的に兵士として集められ、親元を離れて戦場で戦っている。
銃を持つようになると、銃なしでは不安で、銃を手放せなくなってしまう。
少年兵になってしまうと、心が麻痺(まひ)してしまい、なかなか普通の生活には戻れない。戦場では大人とおなじようにあつかわれる。
≪大石 茜さん 17歳≫

少し聞いたことがある。想像では、アフリカに多いと思う…。
≪佐藤 可奈子さん 16歳≫


・ 満足に教育が受けられない。
・ その子の意思に関係なく徴兵(ちょうへい:兵士にされること)
・ 常に危険にさらされる
・ 「子ども」あつかいされない
・ 家族と離れてしまう
・ 世界にたくさんいる
≪三木 綾子さん 15歳≫

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◆どうして子どもの兵士がいけないのか、『子どもの権利条約』で約束されていることを見ながら考えてみよう。

第38条では「戦争からの保護」がある。それは、子どもから生きる権利をうばうことになるからだ。
≪佐藤 可奈子さん 16歳≫


・ 第3条(子どもにとっていいことが考えられていないから)
・ 第8条、9条(親とひきはなされてしまうから)
・ 第12条(意見をあらわす権利が確保されていない)
・ 第24条(撃たれたらしんじゃう。満足に治療がうけられない)
・ 第28条(教育が受けられない)
・ 第31条(子どもが遊んだりする権利が守られていない)
・ 第38条(子どもの兵士の禁止)
≪三木 綾子さん 15歳≫

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◆この映画をみて感じたことを、参加してくれたみんなに聞いてみました。

女の子(チャバのこいびと)がいなくなってしまったところが、印象に残りました。
≪窪田 桃花さん 11歳≫

映画「イノセント・ボイス」は、1980年エルサルバドルにおける政府軍とFMLN(反政府ゲリラ)との内戦のなかにいた少年を主人公として、内戦を描いた映画です。楽しい夕食の時間を突然切りさく銃声、弾丸にあたって死んでしまった友だち、徴兵されていった友だち。それらの映像からうかがえる内戦の下に生活があるということの恐怖に、私はただただショックを受けることしかできませんでした。「衝撃的だった」「考えさせられた」…。自分の感想を言葉で表現すると、こんなありきたりの言葉しかでてきません。悲しさとか、驚きとか、そういう一言でくくれないさまざまな感情がうずまいて、今の自分の胸の内を正直に言葉であらわせないのです。

そして、今この瞬間にも違った場所で同じことがくりかえされているかと思うと、胸の中は、もっともっとうずまいて、重くなります。本当になんと言ったらいいのか、わからないけれど、そこはかとない悲しさを私はそこに覚えました。

まだこの映画をみていない人に、「ぜひみて!」とは素直にはいえません。でも、これを「知ってほしい」とは思います。だから、知るためにみてほしいと思います。

映画の途中、何度もスクリーンから目をそむけようとしました。けれど、そんな内容だからこそ、感じるもの、得るものもありました。何を感じたか、何を得たかは、具体的にはいえないけれど、それはとても印象深く、自分にとって大変貴重なことだったと思います。
≪三木 綾子さん 15歳≫

すべてのことが衝撃でした。つい、目をそむけたくなりましたが、ちゃんと見ていなくちゃいけないと思いました。
この映画をみて感じたことを大切にしたいです。
≪佐藤 可奈子さん 16歳≫


とにかく衝撃的でした。途中から涙が止まらなくなってしまいました。私はこんなにも恐ろしい映像を見たのは初めてです。

ニュースやテレビ番組で報道されている映像とは比べ物になりませんでした。学校に武器を持った兵士が突然入ってきて子どもを連れて行ったり、夜突然銃撃戦が始まったり、隣にいる友人が次々と撃たれたり…

銃撃戦の様子などは見ているだけで怖くて凍りついてしまいました。これが現実なのだと、信じられないし、信じたくありません。でも、現実なんですね。

あらためて「戦争はしてはいけない」と強く感じました。
そして戦争が人々をこんなにも苦しめ、傷つけていることをもっと多くの人に知ってほしいです。

また、親子の絆(きずな)や家族への愛の深さにも感動しました。そういう愛や絆が、内戦下でも人々に生きる勇気を与えているのだと感じました。

あまりにリアルすぎるものは、子どもに衝撃的すぎるという意見もあるとは思うけれど、大きな衝撃を受けるほど、戦争は恐ろしく悲惨なものだと知ることも必要なのではないでしょうか。
≪大石 茜さん 17歳≫

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