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No.24
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世界のニュース(2)

鳥インフルエンザから子どもたちを守ろう!

鳥インフルエンザがとてもこわい病気だということは、みなさんもテレビや新聞を通してよく知っていると思います。世界では、この鳥インフルエンザがもっと広がるのではないかと言われています。

2006年3月、日本政府も鳥インフルエンザ対策に支援をしました。これから流行するだろうと心配されている国ぐにでの予防対策や、必要とされている医療や保健にかんすることなどに使われます。

ところで、鳥インフルエンザとは、どんな病気なのでしょうか。カゼやインフルエンザとはどう違うのでしょう。

みんながよく耳にするインフルエンザは人から人へ感染し、ふつうのカゼとはちがって、人びとに深刻な影響をおよぼします。毎年空気が乾燥する冬に流行します。

いっぽう、鳥インフルエンザとは、野鳥がもつ鳥インフルエンザのウイルスに、人が感染することでかかる病気です。鳥から人へは感染しますが、人から人へは感染しません。そのウイルスは、人が感染するようなインフルエンザウイルスとは違うものです。

2003年から流行しているH5N1型鳥インフルエンザウイルスは、人びとに大変なひがいをもたらしました。鳥から人に感染し、そしてアジアでひろがり、ヨーロッパや中東までおよび、今ではアフリカまで広がっています。鳥インフルエンザの被害があった国は、30カ国にもなります。この鳥インフルエンザウイルスは、野鳥などから、すごいいきおいで広がっていて、感染した鳥の90パーセントから100パーセントは、48時間以内に命をおとしてしまうといわれています。

鳥インフルエンザの被害があった国ぐにでは、家族やその子どもたちのくらしをおびやかしています。子どもたちの健康や命もねらわれています。

調査の報告によると、鳥インフルエンザに感染した人びとのうち、半分が子どもたちで、その3分の1の子どもが命をおとしたといわれています。

なぜそんなに多くの子どもたちがウイルスに感染しているのかまだ知られていなかったころ、子どもたちにひろがってしまった原因のひとつは、特に女の子たちが、家で家畜として飼っている鳥にえさをあげたり、鳥のいる囲いを掃除したり、卵をあつめたりしているからだといわれてきました。子どもたちは、生きるために飼っている家畜を、ペットとしてかわいがって、接することもあります。

もし、ウイルスが変化して、鳥から人にうつるものではなく、人どうしでかんたんに感染してしまうようになってしまったとしたら、世界どの国ぐにでも大流行してしまう可能性があります。子どもたちの人生や家族の安全は、この病気の流行によっておびやかされ、子どもや家族がふつうの生活を送れないようにしてしまいます。

鳥インフルエンザの深刻な影響は、以前にくらべるとやわらいできています。対策もなされてきたので、前のように、子どもたちの命をとても短い時間でうばってしまうこともなくなってきています。ただ、家畜としての鳥から鳥インフルエンザが人に感染したことで、鳥が殺されて、家族は大切な食糧や、鳥からの収入をうしなうことになります。このことは、子どもたちの健康や、教育にも影響します。もしお金がなくなったら、多くの家族は、子どもたちを学校に行かせたり、必要な保健サービスを受けさせるためにお金を使いたがらなくなるでしょう。

ユニセフは政府や、国連の組織、NGOなどのパートナーと協力して、多くの家族に、鳥インフルエンザについての知識を広め、ウイルスから自分たちの身をまもるためにどうすればよいのか、流行病にどのように対処すればいいのかを伝えて、実践させています。

たとえばトルコでは、ユニセフは女の子のための教育にかかわる活動を行っているボランティアチームによびかけ、鳥インフルエンザを予防するためのメッセージを人びとに知らせる活動を行っています。そして、アゼルバイジャンでは、ユニセフは政府をはじめ、WHO(世界保健機構)、WFP(世界食糧計画)と協力して、多くの家族に鳥インフルエンザから身を守るための知識を伝えています。ベトナムやカンボジアでは、テレビなどのメディアを通じた鳥インフルエンザ予防のキャンペーンをたちあげました。カンボジアでは、ユニセフが人びとのウイルスに感染するような習慣をやめさせるために、ある政策をたちあげました。

その政策のなかには、つぎのような目的がふくまれています。
-動物の間の鳥インフルエンザの流行を防ごう
-人の間の鳥インフルエンザの流行を防ごう
-動物から人への感染を防ごう
-衛生状態をよくして、通常のインフルエンザやほかの病気、流行病を広げないようにしよう
-新しい種類のインフルエンザの広がりをおさえよう
-(もし保健サービスが行き届いていないようなところでは)感染してしまった人の家庭でのケアをうながそう

また、アフリカのナイジェリアでは、ユニセフは各地域にいるその土地のリーダーと連絡をとり、コミュニティに予防のためのメッセージを伝えるようにしています。

★各国でつくっているポスター★

病気のニワトリにさわらないで!
手をあらおう!
ニワトリを安全に調理しよう
鳥インフルエンザがひろがるしくみを知らせるポスター
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