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No.27
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世界のニュース(1)

サッカーが平和をつくる(ハイチ)
「Unite for children. Unite for peace.
(子どものために。平和のために。)」キャンペーン

(C) UNICEF/2004/Morel
ドミニカ共和国の首都サントドミンゴに集まったブラジルチームを歓迎する人々

ハイチで反政府武装勢力による暴動がおきた約6カ月後の2004年8月13日、ハイチの首都ポルトープランスで、ブラジルのスーパーサッカー選手であるロナウド、ロナウジーニョ、ロベルトらのチームを迎える準備がすすめられていました。サッカーはハイチでもとても人気のあるスポーツで、ブラジルのチームはハイチの人々の中でも有名なチームです。

8月18日、ハイチ国内チームと2002年FIFAワールドカップチャンピオンのブラジルは、平和のために、ポルトープランスで親善試合を行いました。その間、ユニセフはハイチの子どもたちが置かれている厳しい状況を世界にもっとしてもらうため様々な取り組みをしました。

ユニセフはこの日、スポーツとレクリエーションと子どもの関係について新しい報告を発表しました。スポーツや遊びは、子どもたちにとってライフスキルや、コミュニケーション力を身につけるためにも重要であるというものです。

またユニセフは、ドミニカ共和国の首都サントドミンゴで行われたブラジルチームの練習に、たくさんの子どもを連れていきました。約1万5000人以上のサッカーファンが、スタジアムやブラジルチームが移動するいたるところで声援を送りました。

チームキャプテンだったロナウドは、4歳になるハイチの少年を抱いてスタジアムに入ってきました。この若きスターとなった少年はドナルドといいます。昨年、ユニセフがHIVに感染した子どもたちを支援するセンターで会いました。毎年ハイチでは、HIVに感染して生まれる子どもは5000人もいますが、彼もその中の1人です。

(C) UNICEF/2004/Morel
世界的にも有名なブラジルのサッカー選手ロナウド。ユニセフが支援しているプロジェクトに参加する少年が持っているボールにサインをしている。

ロナウドはチームでの練習を終えた後、ユニセフが支援する「Boys and Girls〜男の子と女の子〜」プログラムに参加している5人の子どもたちにサインをするため立ち寄りました。

この「Boys and Girls〜男の子と女の子〜」プログラムは、困難な状況下で暮らす子どもたちを支援していこうというものです。ここに参加しているひとり、アリエル・ラミレ(12歳)は、4人兄弟の長男で、毎日道路でアイスクリームを売らなければなりません。彼の表情の中には毎日の生活に追い詰められた様子がうかがえます。彼は物静かな雰囲気の少年です。しかし、ロナウドと会ったときのことをたずねると、彼の目はいきいきと輝きだしました。生活のために、通りでアイスやスナックを売り歩いている子どもではなく、12歳らしい輝きを取り戻したように見えたのです。
「僕は学校に行って、エンジニアになりたいんだ。」アリエルは言いました。

この週、サッカー試合はハイチ国内の再建に前進を見せたかのようにみえました。サッカーの力が境界線を越え、人々を団結させたのです。

今年は、2006FIFAワールドカップドイツ大会TMを機に、ユニセフとFIFAが「Unite for Children. Unite for Peace.(子どものために。平和のために。)」をスローガンに共同キャンペーンを行っています。また、この活動は、中国で開催予定の2007FIFA女子ワールドカップTMでも継続していく予定です。

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