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ユニセフ子どもネットウェブマガジン
No.27
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世界のニュース(2)

スーダン「きれいな水プロジェクト」
子どもたちが健康で、学校に行けるように!

(C) UNICEF/Sudan/2006/Carrillo
ユニセフの支援でつくられた井戸のポンプとセルマさん(中央)

セルマさんは14歳。彼女が住む村に井戸ができるまでは、生活に必要な水を遠くまでくみにいくために、学校を休んでしまうことがしばしばでした。最近は、新しくつくられた井戸のおかげで、セルマさんの住む地域では、安全な水を手に入れることが便利になったので、セルマさんをはじめ村の子どもたちもちゃんと学校に通うことができるようになりました。

「学校のあとに水くみに行くのが楽しみになったの。だって、たくさんのお友だちもおなじ時間に水をくみにくるからよ」。セルマは、井戸のポンプの順番をまちながら話しました。

スーダン南部のコルドファン州は、以前から水が少ないところです。過去の紛争のせいで、水をくみに行くことは、大変なだけではなく、危険なことになってしまいました。きれいな水がないと、不衛生なだけではなく、病気の大流行をひきおこします。

2005年に、スーダン国内で対立していた南北のグループのあいだで、包括和平合意が結ばれました。ユニセフや、ヨーロッパ連合の人道支援部門、そしてスーダン政府の水のプロジェクトの担当が一緒になって、この地域の水の供給状況がよくなるように活動をしています。

2005年には、このプロジェクトが活発に行われ、16万6000人の女性や子どもたちが、きれいな水を手に入れることができるようになりました。そして、20以上の学校で、衛生クラブが作られ、数百人の子どもたちにどうやって清潔をたもつのか、なぜ清潔にするのかなどの知識を伝えたりしています。

学校では、セルマさんはこの衛生クラブのメンバーだということをとても誇りに思っています。このクラブに参加することで、基本的な衛生についての知識を身につけることができるからです。どうやって井戸のポンプを使うのか、みんなでどうやってこのポンプを守っていくのかも学びます。衛生クラブの若いメンバーは、学校という場だけではなく、ほかの人たちにもこういった知識を伝えていかねばなりません。

「私はいつも弟に、ご飯の前には手を洗いなさいって言ってるのよ。下痢になってほしくないからね」

セルマさんの活動は、家庭をこえて、村の衛生委員会にも影響をあたえています。この委員会では、井戸の整備のほかに、村をきれいにすることや、保健センターがうまく機能するための活動をしています。

この水のプロジェクトの実施によって、900の地域の人びとがどうやって井戸のポンプを維持したり、使うのかということを学びました。5歳の子どもたちの命をうばう原因となっている下痢は、よごれた水からの病気だということは明らかなのです。

「もし私にお金があったらね…」セルマさんは続けてこういいました。「世界じゅうの子どもたちにきれいな水を届けたい。だって、きれいな水がのめることって、健康な生活を送るために、すごく大切だからよ」。

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