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ユニセフ子どもネットウェブマガジン
No.32
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世界のニュース(2)

バングラデシュでのユニセフのとりくみ
〜長い時間をかけた支援の成果のきざし

ユニセフはバングラデシュに、数十年という長い期間をかけて、支援をつづけてきました。そのかいがあって、新生児と子どもの死亡する率が少なくなってきています。これは、ミレニアム開発目標の一つである「子どもと妊産婦死亡率をへらす」ということが順調にすすんでいるといえます。また、この2年間で衛生的な環境や教育も行き届くようになりました。バングラデシュ政府は2010年までに、だれもが衛生的な環境でくらし、教育をうけることができるように努力をしています。

しかし、深く根づいた貧困と不安定な政治がつづき、子どもたちの生活はおびやかされています。約30万人の子どもが貧しいなかで生活し、特に都市からはなれた農村地域では、生きていくのに最低限必要な保健ケアや、教育など、基本的な社会サービスが不足しています。

子どもが育つうえで、栄養不足などが原因でおこる障害は、以前にくらべると少なくなってきています。ユニセフが、幼児と妊産婦死亡率をへらすプログラムを支援してからは、妊婦の健康状態と栄養状況もだいぶ良くなってきましたが、十分ではない状態です。

ユニセフは、バングラデシュにおいて、早期幼児ケア(赤ちゃんのころにちゃんとしたケアをすること)と、特に女子の小学校教育、予防接種と成長観察プログラム、そして地域ごとに水と衛生の分野で先頭にたって支援をすすめています。

≪バングラデシュにおける水に関するとりくみ≫

バングラデシュでは、きれいな水を手に入れることができる人のわり合は、およそ70パーセント(2004年度)。ちゃんとした衛生設備を使うことができるのは、およそ40パーセントの人びとです。都市と地方でも差があり、世界のなかでも、まだ良いとはいえない状態です。地方の小学校教育に衛生や水にかんすることを教育のなかにとりこみ、手洗いをはじめ、衛生マナー(きれいにすることがどんなに大切か)を子どもたちに教えています。そして、学校で学んだことが、子どもたちをつうじてその家族や、地域に広がっていくよう目指しています。

≪バングラデシュ・チッタゴン南部近くの村のようす≫

  1. 井戸で手を洗う女の子。蛇口をひねれば水がでる水道とはちがい、一人がポンプを押し、もう一人が水を使っています。
  2. お姉さん二人が弟のからだを洗っています。井戸は、毎日の生活の中でとても必要なものです。
  3. 大きな貯水タンクから、お母さんが子どもに飲み水をあげています。この飲料タンクは、雨水をためて安全な水を提供しています。ユニセフは、安全な飲み水を提供できるよう、雨水の貯水タンクや安全な水がでる場所で井戸を掘るプロジェクトを支援しています。
  4. 彼女が住む家の近くにある茶色く汚れた池。その池でお皿を洗っています。彼女が住む村は湿地地帯にあり、洪水の時期は、村は水におおわれ孤立した島のようになってしまいます。。その間、きれいな水を手に入れたり、適切な医療ケアをうけることなどが難しくなるのです。
  5. 地域の人びとが使う井戸を、地元の女性たちが修理しています。自立した生活をおくるためには、毎日使う井戸の修理は大切な仕事です。女性たちは、ユニセフが支援するNGO団体から、修理のしかたのトレーニングを受けました。
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