世界のともだち

スタディツアー視察報告

カンボジア  スタディツアー報告  (2007年7月22日〜29日実施)

5. ユニセフが支援するNGOの活動

(5-1)「子ども保護ネットワーク」 子どもの保護活動

●子どもが中心になって子どもに伝える活動

先生をつとめる2人

プレイベン州ポーポーワット村では、子どもが中心になって、小さな子どもたちに、子どもの権利や安全な生活について伝える活動が行われています。

訪問した時、先生をつとめていたのは、16歳のロス・タクビイさん(右:女性)と、14歳のウアン・スワトナーさん(左:男性)です。事前に研修を受け、堂々と先生をつとめています。活動はこんな流れで行われていました。

子どもは守られる権利があることを伝えます。

次に、「危険な遊びをしないで」という内容の楽しい歌を歌って学びます。この歌はユニセフが支援する地元のNGOがつくったもので、小さなテレビで繰り返し流します。かわいい人形が歌う映像には危険な遊びの様子も出てくるので、子どもたちは一緒に楽しく歌いながら、危険なことを覚えることができます。今も楽しいメロディが頭の中に流れています。 さらにグループに分かれて、危険な遊びと、安全な遊びを絵に描く、というワークショップも行っていました。

話を聞く子どもたち
「危険な遊びをしないで」の歌

●エイズ孤児を守る

ポーポーワット村は315家族。1,550人が暮らしています。この村にはエイズ孤児が12人います。村長などがHIV/エイズについての正しい知識を学び、孤児たちが村の中で差別されることなく、みんなに守られ、安心して生活できるような取り組みが行われています。

電話相談の対応をするスタッフ

(5-2)「エンテヌー」 HIV/エイズの電話相談

「エンテヌー」は、クメール語で「虹」という意味です。2000年7月に設立されたHIV/エイズについての電話相談を全国規模で行うNGOです。

専門的な知識と経験をもったスタッフ(医師)に無料で相談することができます。相談は匿名ででき、相談内容等は厳守されます。
電話相談は週6日、午前11時〜午後8時の間で行われ、3つのチームが3時間ずつ交代で相談を担当しています。

活動ツールのTシャツ

ポスター、ステッカー、Tシャツ、カード、ポケットカレンダーなどのツールを、大きな行事が行われている会場や、縫製工場周辺で配布し、広報活動を行っています。2006年の相談件数は約61,500件。2007年は6月までに約28,800件にのぼっています。相談者は80%が地方在住の人々。最も多い職業は学生です。

(5-3)「Korsang」
覚せい剤中毒の若者の保護・リハビリセンター

「Korsang」は、プノンペン市内で覚せい剤などを使用する若者の保護と、社会復帰のためのプログラムを提供するリハビリセンターです。自らの意志で覚せい剤などをやめる取り組みを支援しており、他の同じような活動団体より高い更生率をあげています。

過去に覚せい剤などを使用していた若者がピアエデュケーターとして市内を回り、ドラッグを使用する若者に声をかける役割を担い、センターの専門スタッフと協力して活動をしています。

センターの看板
ピアエデュケーターの活動の様子
教育活動の絵画

センターには、気軽に一時休憩できる場所や、治療を受けられるクリニックがあります。クリニックでは注射針の使い回しによってHIV/エイズに感染した人へ薬の処方も行っています。食事を提供したり、カウンセリングも行います。活動の特徴は、スポーツやピクニック、さまざまな教育プログラムを提供していることです。

無理やりドラッグをやめさせるのではなく、気持ちをリフレッシュできるさまざまなスポーツやダンス、仲間との交流、教育を受けることを通して、自分自身の意志で更生するようにしているのです。更生のために最も効果的な取り組みはスポーツなどをして汗をかき、気持ちをリフレッシュさせることだと説明を受けました。  

ブレイクダンスの披露

訪問した私たちに、ブレイクダンスを練習している若者たちがダンスを披露してくれました。一生懸命に踊る姿に心打たれました。私たちの拍手に応え、さらに張り切ってダンスを披露してくれた若者たち。ダンスを通じて更生して欲しいと祈らずにいられませんでした。ダンスが上手になると、披露する機会があるので練習に励む目標にもなっています。

(5-4)「レストラン フレンズ」ストリートチルドレンの社会復帰施設

「フレンズ」は、ストリートチルドレンを支援するNGOによって運営されているレストランです。子どもたちや若者が自立をめざして教育プログラムやトレーニングをうけ、レストランが職業訓練の場となっています。

レストランで働く若者は明るく、礼儀正しく、とてもステキなお店です。メニューも多彩で料理もおいしく、ユニセフ・スタッフとの会食は「フレンズ」で行われました。

カンボジアを訪問される機会がありましたら、ぜひ、レストラン「フレンズ」にお出かけください!

店内のポスター

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日本ユニセフ協会