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パキスタン:栄養不良とたたかうモハメドちゃん

2011年11月21日


© UNICEF Pakistan/2011/Page
ユニセフの支援する栄養支援センターで母親に抱かれるモハメド・アリちゃん

パキスタンに暮らす2歳半のモハメド・アリちゃんは、栄養不良とたたかっている男の子です。9月に起こったモンスーンによる洪水で、モハメドちゃんの家や村は大きな被害を受けました。モハメドちゃん一家は身の回りのものも田畑もすべて失いました。家族は無事、高台にある親せきの家へ避難しましたが、食べ物や清潔な水がなく、モハメドちゃんの体重は急激に減ってしまいました。モハメドちゃんが病院に運ばれたときの体重はわずか7キロ。重い栄養不良と診断されました。しかし、ユニセフの行う栄養支援によって、モハメドちゃんの体重は増え、今では健康な体にもどりつつあります。家族は以前に暮らしていた村にもどり、生活を立て直そうとがんばっています。モハメドちゃんは回復していますが、モハメドちゃんのきょうだい7人も栄養不良や感染症などの病気で苦しんでいます。また、近くの川の汚染された水しか使うことができず、生活はとても大変です。それでも、母親のヌールさんは「モハメドが危険な状態を抜け出すことができてとにかく嬉しいです。モハメドには教育を受けてほしいと思っています。いつかこうした状況から子どもたちを助けることができる医者にもなれると思います」と語ります。

洪水が起こる前の調査では、パキスタンの家庭の58%が十分な食糧を確保できていないことがわかりました。また、子どもたちの約3分の1は、体重が足りていません。ユニセフは政府や地元団体と協力しながら、病院や食糧配給センターに栄養の支援物資を届けています。しかし、栄養支援に必要な資金の25%しか集まっておらず、さらなる支援がもとめられています。

財団法人 日本ユニセフ協会