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モーリタニア:紛争から逃れてとなりの国へ

2012年3月27日


© UNICEF Mauritania/2012/Fassala
避難キャンプにて3歳のハビビくんとおばあさんのファギさん(右)
ユニセフ・モーリタニア事務所のルシア・エルミ所長(左)

ファギさん一家は、マリ北部で起きた紛争から逃れるため、マリからとなりの国モーリタニアの国境近くの町ファサラまで避難してきました。

「ある日、突然村が襲撃され、古いトラックでたくさんの人たちと一緒に逃げました。そして、寒さと恐怖にふるえながら一夜を過ごしました。難民キャンプにたどり着いたときには、ハビビはひどい咳と下痢ですでに弱りきっていました。」と、ハビビくん(3歳)のおばあちゃんであるファギさんは語ります。

ユニセフは、政府や他の国連機関と協力して、水と衛生、栄養などの分野で活動を始めています。

マリからの避難民のために設置された避難キャンプで、ハビビくんは治療を受けました。「初めてハビビくんに会ったときはとても深刻な状態でした。すぐに治療ができなかったら、亡くなっていたかもしれません。今は治療と栄養補助食品のおかげで順調に回復しはじめています。」と、ユニセフの栄養専門家アイダ医師は話します。

紛争からやっとの思いで避難キャンプに逃れても、干ばつによる食料不足の影響で食べ物は十分には得られません。首都ヌアクショットから避難キャンプまで支援物資を運ぶには、3日もかかります。道路の整備されていない砂漠地帯をこえなければならないからです。

このような厳しい状況がさらに悪化しないように、そして、避難キャンプに暮らす多くの子どもたちが未来に希望を持てるよう、ユニセフはさまざまな団体と協力して、水と衛生・保健・栄養などの支援を行っていきます。

財団法人 日本ユニセフ協会