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日本:命の木でたてられたあさひ幼稚園

2012年7月30日


© 日本ユニセフ協会
あさひ幼稚園落成式のようす。新しい園舎の前で。

日本ユニセフ協会は、地震や津波の被害を受けた岩手県・宮城県・福島県からの要請で、幼稚園や保育園などの仮設園舎の建設を支援しています。その支援先の一つ、宮城県南三陸町のあさひ幼稚園の完成をお祝いする落成式が7月28日に行われました。

南三陸町の道路には樹齢300年の杉の木がありました。地震のときに津波の被害で倒されてしまい、枯れてしまう運命にありました。しかし、この杉の木を園舎にぜひ使ってほしいという園長先生のねがいから、新しい園舎はこの杉の木を使ってたてられました。「幼稚園に使われた木は材料ではなく、南三陸の動物たちがすんでいた木、そして、ここに住んでいた人たちが毎日さわっていた命の木です。これは南三陸のたましいなのです」と幼稚園を設計した手塚さんは落成式で話しました。

落成式のあとに、子どもたちに新しい園舎が開かれました。「ねね、こっち座って。私はこっちに座る!」と新しい椅子に座る女の子、「すごくおもしろい!」と部屋をあちこち探検する男の子。幼稚園の中は子どもたちの明るい声と笑顔でいっぱいになりました。

財団法人 日本ユニセフ協会