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レバノン:シリアの内戦から逃れてきた子どもたちに“子どもに優しい空間”を

2012年9月25日


© UNICEF Lebanon/2012/Pedersen
小学校の“子どもに優しい空間”で、新しいお友達とお絵かきに夢中になる女の子たち。

シリアで起こっている内戦の状況が悪化するにつれ、レバノンに逃れてくる子どもの数も増えています。多くの子どもたちやその家族は、住み慣れた家や地域を無理やり奪われ、強い恐怖の中で日々を過ごしています。また、シリアの混乱が、レバノン国内にも広がってくるのではないかという不安が、子どもたちをさらに苦しめています。

「シリアの僕らが住んでいたあたりでは、たくさんの発砲や爆撃があって、学校も壊されてしまったんだ。通りには、家を失った子どもたちや食べ物がない子どもたちがたくさんいたよ。ぼくたちも何も持たないでここまで逃げてきたんだ。食べる物もなかったよ。」シリアの内戦からレバノンへ逃れてきた何千人もの子どもたちのうちの一人である11歳のアス君(仮名)は、うつむきながら、こう語ってくれました。

子どもたちが友達と一緒に安心して遊ぶことができるように、ユニセフは、小学校などの難民を受け入れている施設に、“子どもに優しい空間”を作っています。
「“子どもに優しい空間”では、新しい友人をつくり、身の回りで起きていることを話し合うことができます。こういったことを通じて、子どもたちは、いろいろな事を良い方向に考えることができるようになり、安心感も得られるようになります。」ユニセフで子どもの保護支援事業を担当するメリン・ウォーターハウスは“子どもに優しい空間”がいかに子どもたちにとって大切かを訴えています。

アス君にも、“子どもに優しい空間”で新しい友達ができました。そして学校に戻れる日が1日も早くくることをとても楽しみにしています。「大きくなったらお医者さんになりたいと思っているよ。お医者さんになって、僕の国で貧しい人たちを助けるんだ。」とアス君は話してくれました。

公益財団法人 日本ユニセフ協会