世界のニュース

みなさまのご支援で、85万人の子どもたちが、命をつなぎとめました

2012年12月11日


© UNICEF/NYHQ2012-0465/Brandt
ユニセフが支援している保健センターで、スタッフに支えられながら、重度の栄養不良の男の子を抱くお母さん。

アフリカで起きている厳しい干ばつが原因で、110万人の子どもたちが重度の栄養不良になり、特別な治療が必要になる恐れがある、とユニセフは約1年前、全世界に訴えました。みなさまからお寄せいただいた募金に支えていただき、現地政府やさまざまな団体と協力して活動をしてきた結果、アフリカ・サヘル地域の9ヵ国で、2012年末までに、85万人以上の重度の栄養不良の子どもたちの命が守られる見込みとなりました。

「最悪の状況は避けられましたが、喜んでばかりはいられません。いまだに、予防可能な病気が原因で命を落としている子どもたちがたくさんいるのです。残念ながら、重度の急性栄養不良を予防できるワクチンはありません。洪水や干ばつなどの自然災害、武力紛争などが同時に起こっても子どもたちを助けることができるよう、地域の人々一人ひとりが、栄養に対する知識を高め、協力し合えるシステムを作る必要があります。」ユニセフ西アフリカ地域事務所のマニュエル・ フォンテイン代表代行はこう話しています。

多くの地域で雨が降ったことで、徐々に作物を多くとれるようになってきました。しかし、今回の干ばつで家畜を失い、食糧の値段が上がった状態に長く耐えてきた人々が、元の生活を取り戻すためには、少なくとも2年はかかります。また、栄養不良状態の子どもたちは、栄養を吸収する力が弱くなってしまっているため、充分な食糧を確保するだけでなく、継続的に治療をしていく必要があります。

公益財団法人 日本ユニセフ協会