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シリア: 避難先の学校で教育を受け続けるために

2013年1月8日


© UNICEF Lebanon/2012/Juez
ユニセフが配付した学用品を受け取る子どもたち。

シリアでは、いつ終わりを迎えるかわからない戦闘が今も続いています。シリアからレバノンへ避難をした難民の数は、登録をされている人だけでも16万3,000人以上います。危険を避けるために登録をしない人もたくさんいるので、実際にはさらに多くの人が逃れてきていると見られています。

水の汚染などで環境が悪くなり、家の中がねずみであふれ返ってしまったため、アブドラ君(6歳)(仮名)は、家族と一緒にシリアからレバノンへ避難してきました。アブドラ君にとって、戦闘がはげしさを増すシリアでの生活は思い出したくないほど厳しいものでした。避難をしたレバノンでは、シリア難民の子どもたちが半数近くを占める小学校に通えることになりました。学校の授業は、シリアでは習っていないフランス語で行われていますが、アブドラ君は「フランス語も勉強できるなんて!」と、とても喜んでいます。夢を聞かれると、「"子ども"として、できる限りこの瞬間を楽しみたい」と答えてくれました。しかし、アブドラくんのように新しい言葉を習えることを喜んでいる子どもばかりではなく、フランス語での授業についていけずに困っている子どもたちもたくさんいます。

ユニセフのパートナー団体の一つである、NGO「サワ」が運営するセンターでは、シリア難民の子どもたちがレバノンの授業もきちんと理解できるように、フランス語と英語の補習クラスが開かれています。サワを設立したザキ・リファイさんは、補習クラスがないと子どもたちが学校をやめてしまう可能性がさらに高くなってしまうため、子どもを学校に入学させるだけでなく、学校に通わせ続けることにも力を入れるべきだと訴えています。

公益財団法人 日本ユニセフ協会