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ニジェール:うしなわれないもの、それは教育

2015年3月22日ニジェール発


© UNICEF/UN010549/Abdou
避難してきた親子。布と木のえだでつくった家にすわっています。

アフリカのニジェールにある、アボウンガという地域(ちいき)に避難(ひなん)してきたガンボちゃんは、自分がいったい何才なのか、わからないといいます。ガンボちゃんは、故郷(こきょう)のタム村では、家族の生活をささえるために、1年間、道で食べものを売っていました。しかし、タム村では、ぼうりょくや争いごとが起きたため、ガンボちゃんは家族といっしょに、アボウンガに逃げました。

そんななか、ガンボちゃんのような子どもたちが、教育(きょういく)を受けられるように、ユニセフは、テントで作る教室をアボウンガに届けました。

今日、ガンボちゃんの故郷であるタム村から、ディリ校長先生がやってきました。校長先生は、テント教室の中でこう話しました。
「何ももたず、着ているものだけで避難しなくてはなりませんでした。」それでも「ただひとつ、失わずにいられたものは、あたまのなかにあるものです。わたしたちが学んだもの、つまり教育です。」
「そして、教育は子どもたちの将来(しょうらい)にとっても、この国の未来にとってもかかせないものです。」

ガンボちゃんは、もう道の上で食べものを売っていません。ガンボちゃんには、しょうらいのゆめがあります。先生になることです。
「もうこわくありません。友だちとあそび、学校にかようことができます。知識(ちしき)を身につけることはとても大切です。先生や医者になるためのちからになりますから。」

<抄訳:臼井遥比(明治学院大学)>

■このニュースの詳しい内容は
 ニジェール 「唯一奪われなかったのが、教育」 避難民や難民の子どもたちに学校を

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