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マダガスカル:きけんなしごとから学校へ!

2016年4月4日ベロバカ(マダガスカル)発


© UNICEF Madagascar/2015
ベロバカの砕石場。おさない子どもたちがはたらいている。

ユニセフ・マダガスカル事務所の野本瑠衣による報告です。

マダガスカル北西部にベロバカという小さな村があります。この村では、岩をくだいて建物などに使う石を取り出す砕石場(さいせきじょう)ではたらく家族が多くいます。

砕石場ではたらくのは大人だけではなく、子どもたちも親をたすけるためにはたらいています。14歳のマミタスアくんも朝から夕方まで毎日、砕石場ではたらいていました。なので、学校に行くことはできませんでした。
「両親をたすけるために10歳から砕石場ではたらきはじめました。仕事はお母さんといっしょに小さな石をくだくことでした。ときどきお父さんの手伝いで、大きな石をはこびましたが、ぼくには重すぎて足をけがしてしまいました。」とマミタスアくんは言います。

ベロバカの砕石場で学校にも行かずにはたらく子どもたちがいると知ったユニセフは、他の支援機関(しえんきかん)と協力して地域の人々と話し合い、村長や砕石場を取り仕切る人々に、これはよくないことだと分かってもらいました。そして、砕石場の近くに住む家族や子どもたちに聞き取りをしました。その結果75の家族が、支援が必要とみとめられました。そしてその家庭の子どもたち112人が学校に行けるようになりました。

ユニセフの支援によって、マミタスアくんも学校にかよえるようになりました。「学校に行くことで、べんきょうができるようになっただけでなく、友だちもできました。もう毎日砕石場に行くことはないので、安心しています。将来は学校の先生になりたいです。」とマミタスアくんは言います。マミタスアくんの両親も、ユニセフの支援を受けて、砕石場のしごとだけでなく、白米を売るようになりました。お母さんのヘニンツーアさんは「ユニセフのおかげで、5人の子どもたちははたらくことをやめ、学校に通うことができるようになりました。子どもたちが学校に行きつづけられるように、できることは何でもするつもりです。」

今、ユニセフはマダガスカルの支援している地域(ちいき)の人々といっしょに、一人でも多くの子どもを暴力(ぼうりょく)やきけんなしごとをさせられている状況から守るため、そして子どもたちが安心して生活できる社会をつくるために、2019年までの計画を立てています。

<抄訳:山本美帆(明治学院大学)>

■このニュースの詳しい内容は
 マダガスカル 採掘場から教室へ 児童労働から子どもたちを守るために

公益財団法人 日本ユニセフ協会