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財団法人日本ユニセフ協会

ライブラリー プレスリリース

南部ソマリアのキャンプで10万人の子どもと女性に予防接種

【2007年12月5日 ソマリア・モガディシュ発】

ソマリアの首都モガディシュ近く、アフゴイ沿いの難民キャンプでの生活を強いられている約4万7,600人の5歳未満児と約5万6,000人の女性が、今週にも健康と福祉を実現するための一連の緊急支援サービスを受けることになっている。

クリスチャン・バルスレフ‐オルセン、ユニセフ・ソマリア事務所長は、次のように述べた。「ソマリアの5歳未満児の95%は、推奨されている予防接種を受けていない。国民の10%が故郷を捨てざるをえなくなっており、その数も日々増加していることを考えると、これらの人々へサービスを提供するための効果的な方法を我々は考えなければならない。ユニセフとパートナー機関・団体は、すべての子どもたちに手を差し伸べるために今回のキャンペーンを展開する。」

ソマリアの子どもに関する指数は世界でも非常に悪く、5歳の誕生日までに死亡する子どもの割合は8人に1人である。また3人に1人が慢性的な栄養不良であり、安全な飲料水を利用できる世帯は全体の3分の1にも満たない。学校に通っている子どもはわずか30%で、平均余命は47歳である。

「国連はソマリアの人々の生活を改善する努力を続け、困難な状況下の子どもたちに、どのようにしたら手を差し伸べられるかということに、もっと積極的に取り組むことが必要だ」とバルスレフ‐オルセン氏。

今回の予防接種キャンペーンは、ユニセフとパートナー団体・機関が来週以降に行なう予定の3つのキャンペーンの1つである。ユニセフは安全な飲料水や衛生施設、教育施設などを提供し、保健や社会的保護に関するサービスの分配と質を改善するなどの持続可能な活動を実施することで、これらのキャンペーンを盛り上げていく。

1991年のソマリア政権崩壊とともに、ソマリアの国家保健制度は国民に基本的なサービスを提供することが極めて難しくなった。しかしながら、ソマリアが発表した最近のデータでは、効果的な啓蒙活動、すなわちキャンペーンの実施と仮設・移動保健所によって、はしかやポリオで死亡する子どもの数を急速に減らすことができるということが明らかになった。

このアプローチは費用の面でも効果的だ。ユニセフとWHOは、1人当たり年間15米ドル程度の経費で今後2年間に350万人の子どもと女性にサービスを提供できると考えている。緊急子ども生存対策活動のうちこの経費によってカバーできるものに、5歳未満児へのはしかやポリオ、ジフテリア、破傷風、肺結核などのワクチンとビタミンAカプセルの供給があり、これらは子どもたちの免疫を高めることができる。出産可能年齢にある女性には鉄分の補給や破傷風の予防接種も行なわれる。

バルスレフ‐オルセン氏は、「中・長期的に見ると、子ども生存キャンペーンのような持続可能な対策活動を支援することが、ソマリアの子どもたちに変化をもたらすことになる」と述べた。

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