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公益財団法人日本ユニセフ協会

資料・刊行物 プレスリリース

ユニセフ米州・カリブ海諸国地域事務所
子どものみでのアメリカ入国の試み急増
この8カ月で4万7,000人以上、今後も増加の見込み

【2014年6月10日 ニューヨーク発】

家庭での虐待や性的搾取にあっていた12歳の女の子。(グアテマラ)※本文との直接の関係はありません。
© UNICEF/NYHQ2012-2286/Susan Markisz
家庭での虐待や性的搾取にあっていた12歳の女の子。(グアテマラ)※本文との直接の関係はありません

主に中米からアメリカ合衆国へ入国しようとする保護者を伴わない子どもが増加している状況に際し、アメリカ政府が行っている緊急支援に、ユニセフは歓迎の意を表します。

ユニセフ米州・カリブ海諸国地域事務所のバーント・アーセン代表は以下のように述べています。

保護者を伴わず入国を試みる子どもたち

「アメリカ政府のデータによると、過去8カ月間に、南西部の国境で、4万7,000人以上の子どもたちが逮捕されたとのことです。これらの子どもたちは、保護者を伴っていません。この人数は、2012年10月から2013年9月の1年間の人数のほぼ倍にあたります。アメリカの国連UNHCR協会は、9月末までに少なくとも1万人以上の子どもたちが、保護者を伴わずにアメリカへの入国を試みるだろうとみています」

「入国を試みる子どものなかに、少女が急増していることを懸念しています。少女と年端もゆかない子どもたちは、最も弱い存在で、特別な保護ケアが必要です。緊急支援として適切な住まい、食糧、医療ケア、一部の法的支援と教育が提供されており、その点はいくばくかの安心になっています」

「アメリカの国連UNHCR協会や中米の複数国でユニセフが実施した調査から、なぜ子どもたちが母国を捨てアメリカに入国を試みるのか、こうした行動を後押しする要因を示す、明確かつ説得力のある証拠が明らかになっています。子どもたちの中には、ギャングやほかの犯罪グループ、自身が暮らすコミュニティでの残虐な行為や暴力、なかには家庭での虐待、また貧困や不平等から逃れるために、国外への脱出を試みています。こうした現象は、地域内の各国に影響しています。さらに多くの子どもたちが、母国以外の国に安全と保護を求めて、危険で時に命を危機にさらす旅を決行するでしょう」

国を超えた調整と協力を

「なかには、まだ歩けないほど幼い子どももいますが、こうした子どもたちが必要としていることを実現するには、こうした子どもたちと出会う可能性のある警察官、子どもの世話をする人、一般の人による、国と国を超えた強い調整と協力が欠かせません」

「子どもたちはメキシコやエルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラスから逃れてきます。これらの国々はすべて、子どもの権利条約に署名しています。ユニセフは、各国政府に対し、自国で子どもたちが今すぐに必要としている支援やケア、保護、教育、ライフスキルを子どもたちに提供するために、あらゆる取り組みをすることを求めます」

「子どもたちのためのすべての取り組みにおいて、当局は、子どもたちが難民となっている状況を踏まえ、子どもの権利条約の精神と原則に則って、対応せねばなりません。何にもまして、子どもの最善の利益のために行動することこそが当局の責任です」

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