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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたちは今 報告会レポート

報告会レポート

モハマド・ユヌス・カヌニ アフガニスタン移行行政機構教育大臣講演
〜3年目を迎えるバック・トゥ・スクール・キャンペーン〜
日本の支援者の皆様に感謝


■日時:2004年3月5日(金)13:00〜15:00

■場所:ユニセフハウス1階ホール

文部科学省の招きにより来日した、モハマド・ユヌス・カヌニ アフガニスタン移行行政機構教育大臣が、ユニセフハウスにて講演会をおこない、タリバン政権崩壊後、3度目の新学期を迎えるアフガニスタンの教育の現状を語りました。
 また、多くの支援を寄せてくださった日本の皆様への感謝をあらわすため、カヌニ大臣からの感謝状の贈呈式もおこなわれました。

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■講演録

<主催者あいさつ>
(財)日本ユニセフ協会 専務理事 東郷良尚

 アフガニスタンの復興に関しまして、日本の皆様には本当に大きなご支援をいただきました。日本ユニセフ協会を通じて現地に拠出された日本の皆様からの民間支援総額は20億3120万円(およそ1600万米ドル)です。日本ユニセフ協会では、各種の緊急募金を実施しておりますが、アフガニスタンに寄せられた募金は、これまで私達がお預かりさせていただいた中でも最大のものでした。日本の皆様方のアフガニスタン復興にかける熱い気持ちが反映されているのではないかと思います。
 しかし、復興のためにはこれからが重要ということをつくづく感じます。どうか、今回を機に、ぜひ、これからのアフガニスタンの子どもたちのことをともに考えていただければ幸いです。

<来賓あいさつ>
文部科学省 国際統括官 永野 博氏

 文部科学省では、アフガニスタン教育復興のため、教育省に教育政策アドバイザーを派遣しています。この前までは大阪大学の内海教授に行っていただいておりましたが、現在は、津田塾大学の国枝教授が現地で活躍中で、教育政策全般に関する助言や日本との援助支援プログラムの調整なども行っています。
 文部科学省では、派遣したアドバイザーと連絡を取りながら、公教育の再建に向け、教員養成システムの再建と高等教育の復興に取り組もうとしています。教員養成については、女子教育の復興のために、御茶ノ水女子大学、津田塾大学、東京女子大学、奈良女子大学、日本女子大学の5つの女子大学の協力を得て、アフガニスタンの女子校の校長先生、教育省の指導者など36人を日本に招きました。また、男女の別に関わりなく、現職の教員の能力向上のための専門家を派遣しています。高等教育については、現在13名の国費留学生を受け入れるなどしています。また、識字教育の分野でも支援が進んでいます。今後、医学教育、障害児教育などの分野でも協力したいと考えています。
 日本は戦後の荒廃の中から復興してきました。そのノウハウは、アフガニスタン支援にも役立つと考えています。ユニセフとも協力し、アフガニスタンの教育復興にまい進していきたいと考えています。

外務省 人道支援室長 足木孝氏

 我が国は、2002年1月、アフガニスタン復興支援国際会議を東京で開催して以降、これまでアフガニスタンの人道、復旧・復興支援として総額約6億ドルを拠出いたしました。このうち、約4千万ドルが、バック・トゥ・スクール・キャンペーンを含む、ユニセフのアフガニスタンにおける活動に拠出されています。
 バック・トゥ・スクール・キャンペーンについては、日本政府から500万ドル、ユニセフ募金に寄せられた国民の皆さんからの700万ドルと、合計で1,200万ドルが日本から送られました。官民をあわせたこの額は、2002年秋までに実施されたこのキャンペーンの総経費1,900万ドルの約65%を占めています。
 20年以上にわたる内戦のために、子どもが学校に通うというごく当たり前のことが長い間実現してこなかったアフガニスタンで、バック・トゥ・スクール・キャンペーンにより、学校が修復され、教科書や教材が配布され、教員に対する研修も実施されました。このキャンペーンが子どもたちの復学に大きな成果をあげていることはユニセフからも報告を受けています。
 子どもは私達の将来そのものです。子どもたちが安全な社会で暮らし、学ぶことができるよう、願ってやみませんん。アフガニスタンでも子どもの教育環境の改善が一層図られることを期待しています。


アフガニスタンにおけるユニセフの活動について
ワヒード・ハッサン教育担当特別代表(ユニセフ・アフガニスタン事務所)

image2  皆様がアフガニスタンに寄せてくださったご支援に、心より感謝申し上げます。皆様のご支援により、アフガニスタンの子どもと女性たちの生活は目覚ましく改善しています。 皆様のご支援が子どもたち、特に女の子の生活をどのように変えてきたのか、いくつかの例をご紹介したいと思います。
 ユニセフは、さまざまな方法を駆使し、子どもの権利を守る機関です。子どもの教育は、保健や福祉と切り離せません。ユニセフは、子どもたちを学校に通わせることは、子どもたちの保健や保護、水と衛生などの分野をも進めることだと主張しています。

 2003年には、皆様のご支援で次のようなことが成し遂げられました。

  • 600万人の子どもがポリオとはしかの予防接種を受けた
  • 500万人の子どもがビタミンAの投与を受けた
  • 420万人の子どもに教材が届き、3万5,000人の教員への短期研修が実施された
  • 1歳未満児の95%が出生登録された
  • 新学期のはじめまでにおよそ200校を、学校建設、修復を実施した
  • ヨード添加塩工場5箇所を建設(全世帯の75%のニーズをカバー)
  • 75万人の女性に破傷風の予防接種を実施した
  • 3,200箇所の井戸の建設

image6  2年前まで、女子は学校へ通うことを許されませんでしたが、今では120万人の女子が学校に通っています。
 教育は人生を変える力をもち、個人の自由と国の発展の基礎となります。教育は、女性の選択肢を増やします。教育を受けた女性はより健康で、家族の決定も担えるようになります。教育を受けた女性の子どもはより健康に成長し、学校でもよりよい成績をおさめます。女子教育は、アフガニスタンの将来のために、他の何よりも効果的な投資です。
 しかし、残念ながら、まだ約6割の女子は学校に通っていません。ユニセフは、教育省とさらに100万人の女子を学校に通わせようとしています。私達の戦略は、低就学率の原因にアプローチするというものです。たとえば、学校を家の近くにたてること、女性の教員をより多く養成すること、教材を開発し、充実させていくこと、コミュニティやコミュニティのリーダーを動かしていくことなどです。

 2004年のユニセフ・アフガニスタン事務所のプログラムは、こうした対策をより加速させるもので、たとえば、次のようなことが計画されています。

  • 600万人を対象にしたポリオの全国一斉予防接種デーを4回実施
  • 15-45歳の400万人の女性に破傷風の予防接種を実施
  • 32ヶ所(各県1ヶ所)の救急産院を整備
  • 500万人の小中学生と8万人の教員への教材提供
  • 8万人の教員に対する新しい小学校のカリキュラムに基づいた研修の実施
  • 学校に通えない女子19万5千人に対する基礎教育の実施
  • 家庭内暴力や虐待、地雷被害の予防のため、3万人の教員と保健員への研修
  • 緊急状態にある地域における1000ヶ所以上の井戸の設置
  • すべての学校に1箇所の井戸とトイレの設置
  • ヨード添加塩を全世帯の85%をカバーできるように普及する
  • 5歳未満児すべてをカバーできるように出生登録を普及させる
  • 支援の難しい地域ではよりコミュニティリーダーや宗教指導者の力に頼らざるを得なくなっていますが、そうした人々120万人に対する短期講習会の実施

 皆様のご支援は、アフガニスタンを変えています。これは確かなことです。どうぞこれからも、子どもたち、女性たちの生活を改善し続けられるよう、ご支援をお願いいたします。


ムハマド・ユヌス・カヌニ教育大臣講演
〜皆様への感謝とこれから続く遠い道のり〜

 アフガニスタン教育省、及び、アフガニスタン国民を代表して、こうした報告会を開いてくださったことに深く感謝いたします。また、この貴重な機会をお借りして、すべての関係国が送ってくださった支援に対し、あらためて感謝申し上げます。皆様の支援は、アフガニスタンの国民の未来に勇気を与えてくれたものであります。
 この2年間、アフガニスタンでは平和な状況が続きました。しかし、目標とする発展した社会への道のりはまだ遠いのが現状です。
 国造りという重大な職務を果たすまでには、まだ時間がかかります。国民がのぞむ目標、つまり発展と平和、安定はいまだに達成できていません。われわれは、貧困から脱却するための闘いをはじめています。政治的な不安定を脱却し、経済を改革するためのの計画をたてました。平和がくるのをじっと待っているわけにはいきません。私達は発展しながら平和を手に入れる計画をたて、実践しています。

〜教育こそが平和と発展への礎〜

image3  われわれは、平和の基礎を子どもらに教えることが重要だと思っています。このような平和の基盤を、みなさんと、ユニセフとともに実現したいと考えています。
 われわれは、子どもたちに、健全な教育を保障したいと考えています。これは、静かな革命の一部です。アフガニスタンのような多文化、多思想の国家では、平和的な教育の開発を通じて、健康で能力にすぐれた青年を生み出すことが大切です。ユニセフとともに皆様にもこのような目標に対する協力をお願いしたいと考えています。
 教育は国家にとって重要な基礎となるものです。アフガニスタンの国家のためいただくご支援に対し、決して後悔させることはありません。教育は、もっとも重要な社会的・経済的投資です。平和を実現するにあたっては、困難もありますが、継続的に努力して解決しなければなりません。
 新しい革命の目的のひとつが、女子の教育です。知識を身につけた女性は政治や社会に積極的に参加し、その子どもたちは健全で満たされた教育を受けることができます。  想像してみてください。2年前、女子は学校へ行くことも許されていませんでした。しかし、今日、120万人の女子が学校に通えるようになりました。来年度にはこの数を2倍にしたいと期待しています。われわれは、教育の制度やカリキュラムの再編をおこなっています。新しいカリキュラムもでき、新しい教科書を新学期に配ることができる予定です。さらに、教員たちの研修も実施しています。
 子どもたちは、テロや戦争がどんなに悲惨であるかを学ぶことができます。それを理解することによって、互いを尊重するようになります。対立や、敵対を修復できれば、互いに協力して、経済を発展させ、貧困から脱却することができます。

〜教育を進める上での多くの障害〜

 われわれは、短期間で、多くのものを成し遂げることができました。しかし、まだ十分ではありません。われわれは、教育においていくつもの大きな課題に挑戦しています。詳細はさけますが、いくつかの例をお話しします。
 まず、子どもたちが教育を受けるために、少なくとも安全な場所が必要です。安定した場所があってはじめて教育を受けることが可能になります。子どもたちは、今も、激しく破壊された学校や教室、テントの中で勉強しています。それすらなく、土の上にじかに座って勉強している子どもたちもいます。ここで、アフガニスタンの子どもたちのために、ユニセフやみなさんが、テントを送ったり、教科書の製作を支援したり、学校を建ててくださったことに改めて感謝いたします。これらは、緊急的な支援として大変役にたちました。次に長期的な課題に取り組まなければなりません。
 専門知識を持つ管理職員や教員の不足がもっとも大きな障害です。現在、知識を持った教員の多くが年配です。若い教員を増やす必要があります。若い女性教員も多く必要とされています。有能な教員を育てるために、様々な活動が行われており、われわれは、各州において、教員の増加をめざしています。教員研修だけではなく、教員の現状を調査し、改革を指導する機関もつくりました。また、すべての分野において、公平さを保ちながら、できるだけ、教育を受けた女性を配置したいと考えています。教員を採用するにあたって、高度な知識や技能をもつ職員を雇いたいと思います。

〜アフガニスタンの豊かな未来に向かって〜

 われわれにはビジョンがあります。今計画されている12ヵ年計画が終了するころには、十分な教育を受けた多くの青年男女が登場しているものと信じています。多様性を残しながら、豊かなアフガニスタンが築かれることでしょう。アフガニスタンに安定した政治や経済、豊かな知識を持つ人材が生み出されれば、諸外国も安心して、アフガニスタンにさまざまな投資をすることができるようになるでしょう。

 国際社会、特に日本にあらためて感謝申し上げます。私は、アフガニスタンの教育大臣として、教育における成果を、ユニセフやあたたかいご支援をいただいた皆様とともに喜びたいと思っています。また、先ほど、文部科学省の方から、新しい、継続的なアフガニスタンへの支援についてお聞きし、大変うれしく思っております。
 ここで、私は、アフガニスタンの教育をあずかるものとして、みなさんのご支援がアフガニスタンの各家庭、地方都市にもゆきわたっていることをご報告します。あたたかいご支援は、未来のアフガニスタンのために、教育を受けた人材づくりに貢献しています。
 これからも、戦争のない世界、麻薬のない社会、民族対立のない社会をつくるために、また、すべてのアフガニスタンの国民が教育を受けるために、今後とも教育分野におけるご支援をお願い申し上げます。

<質疑応答>

 講演の後、カヌニ大臣やユニセフ・アフガニスタンのワヒード・ハッサン教育担当特別代表が、会場の皆さんからの質問に積極的に答えられました。

Q:

  大学教育などの高等教育について、現状はどのようになっていますか?

A:

 (カヌニ大臣)
 高等教育については、高等教育省があります。基礎教育においても改革が進んでいますが、高等教育にも変革がもたらされています。アフガニスタンには7つの大学があります。男女ともに入学することができます。3年前にタリバン時代にはひとりの女性も大学に行けませんでしたが、今日では、能力によって、すべての人が大学に入学できます。アフガニスタン移行行政機構は、差別をなくすために戦っています。今後、さらにアフガニスタンの大学を、質的、能力的に高めていきたいと考えています。

Q:

基礎教育の中では具体的にどのように平和を教えられているのでしょうか?

A:

 (カヌニ大臣)
 まずは、できるだけ、子どもたちに教育を受けさせることなのです。日本も、教育を充実させたことから、このような発展を遂げることができました。われわれは、、静かな教育革命をスタートさせています。新しいカリキュラムは現代社会にあったものに策定されています。政治的な圧力や宗教学校の影響からは解放されています。新しい科目も導入されました。パソコンの導入、外国語の授業もあります。このような政策は、国際社会の専門家などと議論を重ねて立案しています。

Q:

 3つ質問がございます。

  1. 国連ミレニアム開発目標で定められた2015年までの初等教育の完全実施についての進捗状況はどのようでしょうか?
  2. 子どもたちの就学だけではなく、学校での継続率はどうですか?
  3. 高等教育機関の教員養成に、日本の大学のコミットメントがあると聞いていますが、他の機関のコミットメントははじまっていますか?

A:

   (カヌニ大臣)
(1 について)12ヵ年計画において、85%から95%の就学率の達成を目指しており、それに必要な環境を整えることにしています。
(2 について)義務教育は9年制で無償です。その後の進学は指導しますが、本人次第です。
(3 について) 国際社会のどこにでも門戸を開いています。ともに活動してくれるところなら、どのような機関も歓迎です。日本の文部科学省からもアドバイザーが来てくださり、新しいカリキュラム等の内容についてアドバイスをいただきました。

Q:

 緒方貞子氏が、シンポジウムでの発言の中で、親の世代と子どもの世代で、教育へのアクセスに格差が生まれていることに懸念を示しておられました。35〜45歳の世代には教育の機会がなく、子どもたちは教育を受けられる。親と子の間で知識に関するギャップが広がると思うのですが、これについてはいかがでしょうか?
 また、読み書きできない女性(おとな)が多いそうですが、それに対するプログラムがありますか?

A:

 (カヌニ大臣)
 教育省が、基礎教育以外に、識字教育を重要な任務として実施しています。約2200万人の人口の半分が15〜45歳です。この中で、教育が必要な人は700万人と推定されています。12ヵ年計画の中で、15〜45歳の人すべてが字の読み書きができるように計画されています。現在、(700万人の)7割は字の読み書きができません。12年後に、これを4割にまで削減できるような施策を考えています。国際社会の支援なしでは、これを実現することは不可能です。今後も国際社会とともにこれに取り組みたいと考えています。また、ここ2年で10万人の女性を含む27万人に識字教育を実施しました。

Q:

アフガニスタンには学校建設などでNGOが多くの国から来ていると思いますが、そのNGOに対して、教育省は何を期待されていますか?  また、アフガニスタンは多民族国家で、それぞれの民族意識が強いと聞いていますが、国のひとつの教育カリキュラムをどのように適用していくのでしょうか?

A:

(ハッサンユニセフ教育担当特別代表)
 たくさんのNGOが来てくださることを政府も歓迎しています。タリバン時代でさえ、アフガニスタンでのNGOのプレゼンスは大きいものでした。中でも、いくつかのNGOはよい仕事をしており、政府は彼らといっしょに仕事をしています。
 新しいカリキュラムでは、多くの言語による教育が可能で、パシュトゥ語を主要言語としているところではダリ語を学び、ダリ語がメインのところではパシュトゥ語を学ぶようにしています。新しい教科書は、そうした多様性に対応できるようなものになっており、これがアフガニスタンの統一性を高める役割を果たしています。

(カヌニ大臣)
 アフガニスタンは多民族国家ですが、やはり、統一した教育が、民族同士の団結を強くすると信じています。さらに、新しい憲法がこの1月にでき、5つの言語で勉強することが可能になりました。
 NGOとの関係についてですが、一部のNGOは、アフガニスタンで真剣に取り組んでおり、われわれもその活動を支持しています。しかし一方で、一部のNGOについては、実施されたことがアフガニスタンのためになっていないという現実もあります。たとえば、あるNGOは、高級住宅街で事務所を借り、たくさんの人を雇い、高級車に乗り、資金の7割をこうした管理費に使っています。残り3割のうち、2割を学校建設にあてると、1割は検査や審査にかけ…といった具合です。アフガニスタンの国家公務員の給料は平均40米ドルです。しかし一部には3,000米ドルもの賃金を払って、優秀な人材を政府から引き抜いてしまうこともあります。このような協力はアフガニスタンの役には立ちません。たくさんのNGOがアフガニスタンで活動することを期待していますが、NGO自身の行動の見直しも必要だと思っています。7割を管理費に使っても、少なくとも3割はすべてアフガニスタンのために使ってほしいと思っています。

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カヌニ大臣から贈呈された感謝状

日本ユニセフ協会と支援者の皆様へ

 アフガニスタン教育省並びにアフガニスタンの国民を代表して、皆様がユニセフを通してアフガニスタン教育制度の復興支援のために寛大なる募金をしてくださったことに深く感謝いたします。
 皆様が資金を提供してくださった、バック・トゥ・スクール・キャンペーンを通して、2002年度には、330万人以上の子どもたちが教室に戻って参りました。2003年度には就学児童の合計数が420万人を超え、2002年度以前には就学児童の3%しかいなかった女子の割合も、昨年度は37%を占めるまでになりました。アフガニスタン中の子どもや先生達に新しいチャンスを提供できたのは、ほかならぬ日本の皆様の温かなご支援のおかげです。  過去2年の間に、アフガニスタンでは教育の復興が大幅に進みましたが、解決しなければならない問題が山積しています。2004年度は、たとえば、100万人の女の子を学校に就学させ、560万人の子どもたち、そして何千人もの先生に教材・学用品を提供し、教育の質を高めるために学校のカリキュラム改革を実施し、学校に行くことができない女の子や先生の速習プログラムを支援していくつもりです。
 アフガニスタンの子どもたちが学習の機会を取り戻し、継続して学習が続けられるよう、また、アフガニスタン教育制度の長期的な復興と改革を促進するためにも、皆様の温かなご支援をこれからもお願いいたします。

モハメド・ユヌス・カヌニ
アフガニスタン移行行政機構 教育大臣

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